2020年2月25日掲載 − 脱原発
処分する放射性廃棄物

これまで排出源を基盤にして、放射性廃棄物を取り上げてきた。処分しなければならない放射性廃棄物は、すべて網羅したと思う。


ここで、それをもう一度まとめておく。ただ今回は、単にそれを列挙するのではなく、放射性廃棄物の種類によって分類する。


放射性廃棄物は汚染度に応じて、低中高レベルの放射性廃棄物に分類されることが多い。ただすでに述べたように、低中高を区分するために国際的に統一された基準があるわけではない。


ここで基準となっているのは、放射性廃棄物が発する放射線量だ。その放射線量の基準が、低中高レベルを区分する上で国際的に統一して明確に規定されていない。


それに対して最終処分を前提にすると、ドイツのように、熱を発する放射性廃棄物か、熱を発しない放射性廃棄物かで分類したほうが、実践的だ。というのは、熱を発するか、発しないかで、最終処分方法とそれまでの取り扱いが異なるからだ。


最終処分をテーマに連載しているので、ここでは熱を発するか、発しないかで放射性廃棄物を分類するのが適切だと思う。


放射性廃棄物を熱を発するか、発しないかで分類すると、だいたい以下のようになる。


熱を発する放射性廃棄物
• 使用済み核燃料
• 再処理によって排出される放射性廃棄物(ガラス固化体)

熱を発しない放射性廃棄物
• 原子力発電所の運転によって発生する放射性廃棄物
• 廃炉によって排出される放射性廃棄物
• 廃炉中の除染によって排出される放射性廃棄物(これは、廃炉によって排出される放射性廃棄物に含めてもよい)
• その他原子力施設や放射性廃棄物の輸送、中間貯蔵(清掃やメンテナンス等)などによって排出される放射性廃棄物
• 医療、産業、研究開発によって排出される放射性廃棄物(RI廃棄物)

原発に関連して発生する放射性廃棄物しか念頭にない人も多い。しかし、RI廃棄物も処分しなければならないことを忘れてはならない。


ウラン採掘から精錬、濃縮、成型加工までのプロセスで発生するウラン廃棄物は、核分裂していない廃棄物。特に、ウラン濃縮後に残る劣化ウランは、他の用途に利用されることもある。


そのため、ここでは処分される放射性廃棄物の中には含めなかった。ただ、ウラン廃棄物が最終的にどう処分されるかは、厳重に監視しなければならない。


大まかにはこんな感じかなと思う。何か抜けているものや問題などあれば、ご指摘いただければと思う。


(2020年2月25日)
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ワールド放射性廃棄物レポートのダウンロード:
The World Nuclear Waste Report 2019 (英語版)
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