2020年8月11日掲載 − 脱原発
最初は、科学的な議論が中心

ぼくは、1999年に設置された最終処分地選定部会(AkEnd)に大きな関心を持っていた。


それは、作業部会が地質学上の最終処分地選定基準を定めるばかりでなく、最終処分地の選定を「住民参加」で行う方法についても議論するということだったからだ。ぼくの参加できる作業部会のワークショップは、ほとんど取材した。


ぼくには、特に「住民参加」で最終処分地を決めるという点に大きな関心があった。ワークショップは一般公開ということだった。でも、一般住民の参加はごくわずかだった。ゴアレーベンなどで反原発運動を行っている活動家も、ほとんど参加していなかった。


ワークシップに参加して気づいたのは、ワークショップ参加者のほとんどが、最終処分問題に関わる関係者だということだった。政府や原発立地州、最終処分地の候補になりそうな州の関係者。あるいは、地質学や核物理学の研究者や、最終処分に関わるビジネスに参入したいとするコンサルタントや企業関係者など。


ぼくのようにメディア関係者は記者会見には参加しても、ワークショップまで取材するケースはごく稀だった。


参加してわかったのは、この内容では一般の参加は無理だということだ。議論されるのは、地質学など最終処分に関わる科学的なことばかりだった。


ぼくはそれによって、いろんな知識を得て勉強させてもらった。でも、ぼくにもわからないことだらけ。それでも、わかることだけでもと何とか食らいついていった。


ぼくの一番関心のあった住民参加は、どうだったか。


それについては、最後の最後に住民参加で最終処分場を選定すべきだという結論が出された。しかし、それをどういう形で行うべきかの手法については、ほとんど議論されなかった。それは、今後の宿題という感じだった。


それは、最終処分地選定部会がその後も継続されることを前提にしていたと思う。


意外だったのは、最終処分地の選定は最終的に、地元に莫大な補助金を給付して、受け入れてもらうという結論なのか、単なるコメントなのか、あるいは提案なのか、よく判断できない言明だった。


うーん、それならはじめから住民参加とは何だったのかと、最終処分地選定部会の意義自体を疑わざるを得なかった。


(2020年8月11日)
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The World Nuclear Waste Report 2019 (英語版)
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