2020年4月07日掲載 − 脱原発
最終処分の期間は?

前回、放射性廃棄物を地下の地層に処分にするにも、いろいろ問題があることを簡単に指摘した。その問題は今後、順次指摘していくことにする。


その前に、もう一つの前提がある。


最終処分では、放射性廃棄物がヒトの健康や環境に影響を与えないように安全に処分しなければならない。そこで配慮しなければならないのは、放射性廃棄物に含まれる放射性物質の半減期だ。


放射性物質は壊変(崩壊)することで最終的に安定し、放射線を発しなくなる。はじめの放射性物質の数が半分になるまでの時間が、半減期だ。


半減期は、放射性物質によって異なる。たとえば半減期が2年の放射性物質では、2年で放射能の強さは2分の1に、4年後には4分の1、6年後には8分の1、8年後には16分の1に減っていく。


半減期といっても、放射能の強さが半分になるだけだ。そのことには、十分に注意が必要だ。


原子力発電に利用される核燃料が核分裂すると、いろいろな種類の放射性核種が生成される。これが、核分裂生成物といわれるもの。その核分裂生成物が、放射性廃棄物に含まれる放射性物質だ。


放射性廃棄物に含まれていると見られる放射性物質を想定して、処分される放射性廃棄物がヒトの健康や環境に影響がなくなるまでの期間を算出する。


たとえばヨウ素131の半減期は約8日なので、放射性廃棄物が処分される時にはほとんど含まれていない。セシウム137の半減期は、約30年。原発事故後に、周辺地域において注意しなければならない放射性核種だ。またとても有害とされるプルトニウム239の半減期は、2万4000年余り。ということは、7万年経っても放射能の強さは8分の1にもなっていない。


このように、放射性廃棄物には半減期の異なる放射性物質が含まれている。そのため半減期の長い放射性物質などを目安にして、最終処分に必要な期間として10万年(たとえばフィンランドの場合)、あるいは100万年(たとえばドイツの場合)などが設定されている。


設定した最終処分期間に応じて、それに適した場所を探して選定しなければならない。最終処分期間が10万年か100万年かで、安全性に差があってはならない。10万年なら、それで安全に処分できる場所、100万年ならそれに適した場所を選定する。


最終処分といっても、気が遠くなるほど長い期間が必要なことがわかると思う。


(2020年4月07日)
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ワールド放射性廃棄物レポートのダウンロード:
The World Nuclear Waste Report 2019 (英語版)
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