2020年11月10日掲載 − 脱原発
最終処分委員会を設置

すでに書いたように、最終処分地の選定を再開するため、ドイツでは2013年7月に最終処分地選定法ができた。同法に基づき、連邦議会(下院)と連邦参議院(各州政府の代表で構成される上院)の下に、「高レベル放射性廃棄物処分委員会(最終処分委員会)」が設置された。


委員会は、高レベル放射性廃棄物を最終処分するに際して、解決すべき問題を提起すると同時に、それに対する対策案を諮問することを目的とした。


委員会は2人の共同委員長の下に、学術界から8人(弁護士も含む)、環境団体から2人、宗教団体から2人、産業界から2人、労組から2人、連邦議会から8人、州政府代表から8人で構成された。連邦議会の代表は、連邦議会に議席を有するすべての党に配分された。


最終処分委員会は2014年春に、活動を開始。2015年末までに諮問案として報告書を提示することが義務付けられた。


委員会は、連邦議会内の委員会室で開催された。本委員会とテーア毎に分かれた部会は、いつもライブストリームでネット上で視聴することができた。また関連する資料も、ネット上で公開された。


ただ各部会毎に設置された小委員会はライブで公開されず、一般市民には見ることができなかった。


委員会は、最終処分地の選定を市民参加で行うための手法についても提案しなければならなかった。このテーマについては、市民と対話することによってどういう形で市民参加を実現するのがいいのか、市民の考えを聞く催し物も行われた。


最終的に委員会の報告書を公開する前に、報告書案をネット上で公開。まだ委員会で決定されていない内容、委員会でどうすべきか迷っている内容などに関して市民と対話をして、市民の意見も聞いた。


委員会の報告書は最終的に2016年6月末に連邦議会に提出され、7月に一般公開された。


ぼくは、最終処分委員会の主催する市民との対話に参加してきた。その時に感じたのは、元最終処分候補地のゴアレーベンを密室で政治決定した過去の過ちから、いかに市民に対して透明性をもたらすべきか、その配慮がいろいろなところに見られたと思う。


(2020年11月10日)
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ワールド放射性廃棄物レポートのダウンロード:
The World Nuclear Waste Report 2019 (英語版)
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