2020年3月17日掲載 − 脱原発
利用者責任

放射性廃棄物は、利用者が責任を持って安全に処分する。利用者責任の原則は、原子力発電によって発生する放射性廃棄物を処分する上で大前提となる。原子力発電によって放射性廃棄物を排出した者が、責任を持って放射性廃棄物を処分しなければならない。


原子力発電をしてきたのは、電力会社だ。だから、利用者とは電力会社だ。電力会社が責任をもって、放射性廃棄物を処分しなければならない。


それが、一般的な考えだと思う。


ただ発電するのはなぜかということから考えると、原子力発電された電気を使ってきたのは消費者だ。その意味からすると、根本的な原子力発電の利用者は消費者ではないだろうか。


ぼくは、こう認識すべきだと思っている。


いや利用者は、絶対に電力会社だと思う人も多いと思う。


消費者には、発電された電気が供給されただけだ。原子力発電された電気を自由に選んだわけではない。それによって、利益を得てきたのは電力会社だ。


だから、電力会社の責任だと思うのが普通だ。


ただ、電気の最終消費者は消費者だ。電力会社は電気を発電して、供給するサービスを提供したにすぎない。発電の目的は、電気を供給することだ。発電することが目的ではない。


そう見ると、利用者は消費者にならないだろうか。


それは、誰が最終処分のコストを負担しているかを見ても、わかると思う。消費者が電気料金に上乗せした形で、そのコストを負担している。


それについては、別の機会に詳しく述べることにする。


でも消費者は、放射性廃棄物を処分することはできない。それで、原子力発電を実際に行った電力会社に処分を委託する。


ここで問題になるのは、電力会社に処分を任せてしまって大丈夫かだ。


放射性廃棄物の最終処分には、10万年から100万年の長い期間が要求される。その間、電力会社が存続し続けて責任を持って処分することは保証されない。経営不振になると、最終処分の質に影響が出る。倒産すると、最終処分ができなくなる。また、各電力会社が勝手に最終処分を行っても困る。


これらの問題を考えると、最終処分は国の管轄で実施するのが最善だと考えられる。国のほうが、存続し続けるだろうと想定される。


だから、最終処分は国によって行われる。それが、国際的な標準になっている。


国は原則として、最終処分に必要な資金を電力会社に供出させる。その資金の問題についても、別の機会に詳しく述べたい。


これが、利用者負担の原則の下で国が最終処分を管轄する論理だと思う。


(2020年3月17日)
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