2020年4月01日掲載 − 脱原発
地層処分が前提?

これまで、最終処分について利用者責任で行うべきことについて述べた。それを前提にすると、ぼくは国内処分しかありえないとした。


利用者責任と国内処分を前提にしてはじめて、放射性廃棄物をどう処分すべきか、その方法について議論できる基盤ができたと、ぼくは考えるている。


それは、各国において地形や地層など、最終処分する条件が異なるからだ。しかし、最終処分においては地下の深いところに地層処分するのが大前提のようになっている。


それでは、地層処分に適さないからと簡単に最終処分地を国外に設置することになり兼ねない。それは、NGだ。


そのためにも、利用者責任と国内処分を大前提とすべきだ。


ドイツで、最終処分地選定について立法化するため、連邦議会(下院)の下に最終処分委員会が設置された。その時も、地層処分は国際的な標準になっているというのが前提だった。


確かにドイツでは、最終処分委員会が設置される前、2000年代前半に最終処分方法について科学的に議論されたことがある。その時でさえ、地層処分ありきの議論だったと思う。


ぼく自身も、安全性を考えると、地層処分だろうとは思っている。しかし安全性を追求する場合、それで安全か、常に疑問を持っている必要がある。そこで、経済性が優先されてはならない。


問題は、地層処分として、最終処分に適する地層があるかどうかだ。


これは現実問題として、各地でボーリング調査をしてみないとわからない。地上から見ているだけでは、地下の状態がわからないからだ。


ボーリング調査に、問題がないわけではない。


それは、ボーリング調査では一点における地層の状況しか判断できないことだ。


最終処分には、広い範囲に渡って均一な地層が必要だ。その均一性をボーリング調査でどう判断できるのか。


ドイツのゴアレーベンにある最終処分調査坑に何回か入ったことがある。ここは、岩塩層が広い範囲に渡ってあるところだ。


しかしそこでも、一部に油が入っている地点があった。そこでは、この地点は最終処分には使えないといわれたことがある。油の入っていない層がもっと広範囲にあるところが必要だといわれた。


地層処分では、地層に地下水が流れ込まないところであることもたいへん大切だ。


地下の深いところに坑道をつくっても、そこに地下水が流れる込むようでは、放射性廃棄物の入った容器を腐食させる心配がある。容器が腐食すると、中にある放射性物質が地下水によって違う場所に運ばれる。


それでは、放射性廃棄物を処分地に密封することにはならない。


また、地層は長い年月の間に、動くものだということを想定しておかなければならない。地層が動いた時、最終処分地の地層はどうなるのか。それも、予想しなければならない。


たとえば、ドイツのゴアレーベン最終処分調査坑においても、いたる所に地層の移動を調査するためのセンサーが設置されていた。


単に地層処分といっても、クリアしなければならない問題が山ほどある。それをまず知っておいてもらいたい。


(2020年4月01日)
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The World Nuclear Waste Report 2019 (英語版)
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