2020年7月21日掲載 − 脱原発
最終処分と科学の役割

原子力発電所など原子力施設では、その時点で最新の技術と科学的知見を使って、建設や改造などを行うことになっている。建設して数十年経った施設でも、改造する時には建設時の技術ではなく、常に最新の技術を導入する。


これは、技術革新と研究開発で技術と科学的知見が更新されていく中で、技術全体にとってとても大切な原則だと思う。


最終処分の問題においては、最終処分の方法と場所の選定において世代間に民主主義を成り立たせるのは不可能だと指摘した。その問題を少しでも緩和するため、一旦地下に埋めた放射性廃棄物を回収する可能性を残しておくことになっているとも書いた。


そうすることによって、後の世代に最終処分について独自に判断する可能性を残しておく。


最終処分については、現世代が決定しなければならない。その際にもう一つ大切なことがあると、ぼくは思っている。


それは、何だろうか。

それは、最終処分について最新の科学的知見によって、中立に科学的な分析と評価を行うことだ。それをベースにして、最終処分方法と最終処分地の選定を行う必要がある。


最終処分について決定するのは、最終的に政治判断とならざるを得ない。でも政治判断では、科学的に中立なバックラウンドを前提にして決断するのが大原則だと思う。科学的なバックグランドなくして、政治判断されてはならない。


それはなぜか。


それは、当然だと思っている人も多いと思う。でも科学的な評価においては、往々にして政府の姿勢に批判的な科学者が排除される可能性がある。特に日本では、そういう傾向があるので要注意だ。科学的に中立になるには、いろいろな意見を持った科学者によって議論、検討されなければならない。


ぼくたちが現在、最終処分について科学的に中立に判断しない限り、ぼくたちは後の世代に対して責任を持つことにはならない。そうすることが、後の世代に対するぼくたちの義務だと思う。


(2020年7月21日)
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