2020年10月20日掲載 − 脱原発
中間貯蔵が長期化して新たな問題も

前回、放射性廃棄物の中間貯蔵期間が長期化することについて書いた。ただこれは単に、中間貯蔵が長期化するから放射性廃棄物を中間貯蔵施設により長い間貯蔵しておけばいいということだけの問題ではない。


中間貯蔵の長期化は、新たな問題を発生させる。


中間貯蔵施設と放射性廃棄物を輸送、保管するために入れる容器も、ドイツの場合その使用期間が40年間しか許可されていない。ドイツでは、使用許可が法的に撤回された中間貯蔵や保管容器もある。そこでは、中間貯蔵施設ないし保管容器の使用が無許可状態で、黙認された形になっている。


ドイツでは、最初の輸送保管容器が許可されたのが、1980年。中間貯蔵施設の多くは2000年代に稼働を開始している。だが中には、1990年代中に使用を開始した中間貯蔵施設もある。


ただ高レベル放射性廃棄物の最終処分場は、現在候補地を選定中。早くても2035年にならないと、完成しない。


となると、このまま中間貯蔵期間が長くなるだけだと、中間貯蔵施設も保管容器も使用許可が期限切れとなる可能性が高い。


中間貯蔵施設については、テロ攻撃などで飛行機が墜落した場合は想定されていない。現在のところは、テロ攻撃で飛行機が墜落して中間貯蔵施設が破壊されても、保管容器の安全性から安全上問題ないとされているにすぎない。


中間貯蔵施設の場合は、40年の使用期間が切れる前に、安全審査をして使用期限の延長を許可するかどうか判断しなければならない。


保管容器の場合、新しい保管容器に入れ替えることも考えられる。でもドイツでは、脱原発に向けて原子炉が次々に停止されており、保管容器の需要が増加。そう簡単に新しい保管容器が手に入る状態ではない。そのため、こちらも既存容器の安全審査をして、使用許可を延長しなければならなくなる。


ただ前回書いたように、中間貯蔵が100年もかかるようだと、単に安全審査をして使用許可を延長するだけでは安全上不十分な可能性もある。


この問題だけを見ても、原発の後始末はそう簡単なことではない。


(2020年10月20日)
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関連資料:
ドイツ最終処分場選定中間報告書ダウンロード(ドイツ語)
ドイツ最終処分場選定中間報告書短縮版ダウンロード(ドイツ語)
ドイツ最終処分場選定中間報告書短縮版ダウンロード(英語)
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