2020年5月31日掲載 − 再生可能エネルギー
メガソーラーを自然にやさしくする

先週2020年5月27日の再エネいろはにおいて、メガソーラーによって自然が破壊されてはいけないことについて書いた(「メガソーラーは自然を破壊していないか?」)。


そのためドイツでは、新たに森林を伐採するのではなく、元軍用地だった土地のように汚染された(残留汚染のある)敷地にメガソーラーを建設していることを報告した。


ぼく自身は、大型の発電施設には賛成していない。でもここでは、メガソーラーを自然にやさしく設置した事例も挙げておきたい。それは、メガーソーラーが残留汚染のある土地を有効利用する一つの手段だからだ。


前述した再エネいろはの記事にも、写真だけ掲載したベルリン郊外のメガソーラーだ。2009年から2011年の間に、70MWのメガソーラーが設置された。当時としてはヨーロッパ最大だった。


敷地は、ベルリンから車で45分くらいのところにある。元ソ連軍の空軍基地があったところ。ソ連軍は、戦闘機の離着陸などの演習用に使っていた。ぼくが2011年に取材した時は、滑走路がまだ農業用小型セスナ機などの離着陸用に使用されていた。


元軍用地ということで、土地が油や薬品で汚染されていた。ただ敷地内にある格納庫には、モリヒバリやタヒバリなど貴重な鳥などが生息していた。ソ連軍が撤退して10年以上も経ったからだ。そのため、写真からもわかるように、元格納庫(写真中央の突き出たところ)を撤去しないまま、ソーラーパネルが設置された。


メガソーラーの設置によって崩れる地域の生態系のバランスを調整するため、150ヘクタールの敷地が新たに自然地として設けられた。この地域は以前から、草原が広がっているところ。そのため、メガソーラーの敷地とその調整地では、森林が拡大しないように、樹木が伐採された。それによって、草原に必要な水が樹木によって奪われないようにした。


それに伴い、メガソーラー一帯には自然草原が維持できるようになる。その結果、キンメフクロウやサバクヒタキなど珍しい鳥も生息するようになる。その他、たくさんの昆虫や小さな動物も生息しはじめる。


メガソーラーの敷地では、ソーラーパネルの間隔を十分にとると、常に日陰になるエリア、あるいは常に日向のエリアができるほか、太陽の位置によって日陰になったり、日向になったりするエリアができる。それが、生物の多様性をもたらす。さらに、年に雑草を刈り取る回数をできるだけ減らすほか、雑草は農薬で除去しない。


ベルリン郊外のメガソーラーを設置したjuwi社によると、こうした配慮を施すと、メガソーラーには多様な生物が生息する自然が生まれるという。その実態は、すでに75のメガソーラーを調査した結果からも立証されている。


(2020年5月31日)
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