2020年2月29日掲載 − 再生可能エネルギー
住宅と風車の距離を規制緩和

ドイツで風力発電が反対される理由の一つは、風車が住宅近くに設置される可能性があるからだ。再生可能エネルギーは支持する。でも、自分に被害があると賛成できないという論理だ。


ドイツ南部のバイエルン州やバーデン・ヴュルテンベルク州にいくと、風車をほとんど見ない。内陸地で風力発電に適さないところが多いこともある。景観公害などから、風力発電に対する地元住民の反対も強い。


ドイツは気候変動に対処するため、気候保護法を成立させた。その法律では、今後設置される風力発電施設に対して、全国で一律に風車と住宅の距離を最低1000メートル保持することが規定された。


これは、風力発電のほとんど行われていないバイエルン州が強く主張したからだった。


風力発電の盛んなドイツ北部の州では、この規制が障害となる。規制距離よりももっと短い距離で、風車が設置されてきた。


固定価格買取制度(FIT)によって、電力の買取価格は20年間保証される。その保証期間が切れると、風車を同じ立地場所で新しくて、再びFIT制度にしたがって発電するケースが多い。


しかし、1000メートル距離規制があるので、新しい風車は元の位置に設置できなくなる。さらにリパワリングといって、風車の発電出力を上げる工事をする場合も、この距離規制が適用される。となると、リパワリングもできなくなる。


そのため北部州は、気候保護法で風車と住宅の距離を全国で一律に規制するのに反対していた。しかし、国政で力を持つバイエルン州の意向が通った形となった。


この規制があると、風力発電は増えないどころか、むし減少してしまう。


気候保護法にしたがって、温室効果ガスの削減目標を実現するには、風力発電の拡大が不可欠。その意味で、気候保護法は矛盾していた。


気候保護法が成立して、数カ月。管轄の経済エネルギー省がようやくこの問題で妥協する。


風車と住宅の距離は全国で一律ではなく、各州が自州の状況に応じて独自に決めることができるようになる。


こうすべきことは、気候保護法作成段階からいわれていたのだが。。。


(2020年2月29日)
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