英国の金融シンクタンクCarbon Trackerとインドのエネルギー環境水評議会(CEEW)が共同で調査したところによると、新興国や途上国においてはすでに、上昇する電力需要が主に再エネによって発電された電力でカバーされている。
経済協力開発機構(OECD)と国際エネルギー機関(IEA)のデータや予測を分析した結果だという。
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新興国や途上国では、太陽光発電や太陽熱発電に大きな可能性がある |
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太陽光発電や風力発電の発電コストが安価なことが、再生可能エネルギーの拡大を後押ししている。特に中国を除く新興国では、2040年までに電力需要の88%が再エネによってカバーされるという。新興国ではすでに2007年の段階で、石炭やガスなどの化石燃料の消費がピークに達しており、それ以降、化石燃料消費が減少している。
実際、2019年に建設された新しい発電容量の87%が再エネによるものだった。しかし発電における風力発電の占める割合は4%とわずかで、太陽エネルギーへの依存度が高いことがわかる。
世界全体では、化石燃料消費が2018年になってピークに達しており、新興国のほうが再エネへの切り替えが早く進行していることがわかる。電力需要も、工業国よりもより速いテンポで上昇している。
Carbon TrackerとCEEWのスタディは、2040年までに世界の電力需要の40%が中国で発生すると予測する。中国では現在まだ、再エネ発電よりも石炭火力発電により多く投資されているが、それも2025年までには逆転するだろうという。
スタディは、新興国や途上国では電気通信(電話)において有線を通り越して無線化が進んだが、発電においても同じことが起こり、再エネ化が加速しているとする。
(2021年7月17日)
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