2018年4月25日掲載 − 放射線防護
甲状腺のマススクリーニングを止める?

2011年3月に起こった東京電力福島第一原発事故後、小児甲状腺がんを早期に発見するため、事故時に0歳から18歳だった福島県のこども約36万人を対象に、甲状腺のマススクリーニングが行なわれている。


3巡目の検査が行われ、その結果、これまでに196人ががん判定された。


しかし、このマススクリーニング検査がまもなく中止される模様だ。


2016年5月にモスクワ近郊で行なわれたチェルノブイリ会議において、会場に向かうためのバスに乗っていた山下俊一教授が隣に座ったロシアの研究者に、マススクリーニングを止めるそうだなと質問され、山下教授は「そうだ」と答えているからだ。


これは、偶然バスで山下教授の後ろに座ったドイツ人研究者の耳に入ったからわかったもの。福島県の健康アドバイザーなども務めた山下教授だけに、その発言には信憑性があると見られる。


マススクリーニングについては、検査対象を全体に広げたことでがん発見数が増えただけという主張があり、その主張に沿ってマススクリーニングを止める方向で進んでいるのかと思われる。


しかしこれまでの検査結果を見ると、新たにがん判定された人が前回検査でがんが認められていないなど、がんが増えているのは明らかだ。


今後大人にも甲状腺がんが増えることが予想されるだけに、甲状腺がんの検査は、むしろこれからさらに広範囲に行なわなければならない。


マススクリーニングを止めるのは、原発事故による放射線の影響を隠蔽する目的としか思われない。


(2018年4月25日)
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