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左派党がドイツ西部州ではじめて議席を獲得
(2007年5月14日)

13日に行われたドイツ北部ブレーメンの州議会選挙で、左派党が8.4%を得票し、ドイツ西部でははじめて州議会で議席を獲得した。


左派党は、社民党を離党した同党左派の一部と労組の一部がドイツ西部で結成したWASG(労働と社会正義のための選挙オールタナティブ)と、旧東独の独裁政党、社会主義統一党(SED)の後継、民主的社会主義党(PDS)の政党連合で、すでに2005秋の総選挙で議席を獲得。今年6月には、正式に統一する予定だ。


今回、ブレーメンの選挙では、これまでの政権政党であった社民党(SPD)とキリスト教民主同盟(CDU)の二大政党が、得票率を前回選挙に比べて5%前後落したのに対し、左派党の他、緑の党が16.4%を獲得して、州議会選挙としては全国でこれまでの最高の得票率を獲得するなど、小政党の躍進が目立った。


36.8%で第一党となった社民党は、25.7%で第二党となったCDUと連立を続けるのか、それとも緑の党と連立するのかの選択を迫られる。社民党と緑の党が連立することになれば、一時期新しい政治形態として期待された両党による赤緑政権が、現在、国政、州政レベルではまったく姿を消してしまっただけに、赤緑政権の第二期を迎える起爆剤になるのかどうか、注目される。


ドイツでは、グルーバル化に対抗するための自由主義的な社会造りで格差が拡大しており、その抗議票が極左政党や極右政党に流れる傾向が顕著となっている。今回のブレーメンの選挙でも、格差拡大をむしろ助長している社民党から、抗議票が左派党に流れたと見られる。


社民党にとっては、グローバル化に向けて改革を進めれば進めるほど、本来のお株を左派党に奪われるというジレンマがある。来年は、ドイツ西部で州議会選挙が目白押しに予定されているだけに、左派党がドイツ西部でどれほど躍進するのか、注目されるところだ。


なお、投票率が58%と低く、市民の政治無関心ぶりも気にかかるところだ。


(2007年5月14日)
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