日本ではよく、冷房するためにエアコンを使います。エアコンは、専門的にはヒートポンプといわれるものです。
夏の冷房はこのヒートポンプによって、外の暑い空気(温熱)を冷たい空気(冷熱)に換えています。冬は逆に、外の冷たい空気を暖かい空気に換えて暖房します。
このようにヒートポンプは、身の回りにある『再生可能な』外の冷たい空気や暖かい空気を使うので、再生可能エネルギーに属します。
でも日本のように夏が暑いと、エアコンがあちこちでフル稼働しています。エアコンから、たくさんの熱(廃熱)が排出されます。それによって、都市ではヒートアイランド現象が起こり、逆に外気温が高くなります。
それでは、再生可能エネルギー化しても逆効果です。エアコンを稼働させるためには電気も必要で、夏にエアコンが必要な日本では、電力需要は夏にピークになります。
それでは、どうすればいいのでしょうか。
環境にやさしく省エネして冷やすことができるように、いろいろな工夫をします。
ドイツでは、低エネルギーハウス化の目的で地下の深い所にタンクを設置します。そこで空気を一旦冷やし、それを冷房に使う建物が出てきました。地中のほうが、外気温の変化に左右されず、夏は地中のほうが冷たいからです。
あるいは、建物の外壁と内壁の間に空洞を設けて、その中の空気を循環させて換気できるようにします。そして、明け方の涼しい時に壁の間の空洞の空気の入れ換えをします。
窓のブラインドやカーテンの使い方を工夫するだけでも、室内の温度が数度下がります。筆者の自宅では、西側にベランダがあって、夏は午後になると日差が強く、とても暑くなります。そのため、ベランダ側の窓にアサガオとゴーヤを植えて、緑のカーテンをつくっています。
また、屋根を緑地化したり、部屋の風通しをよくするだけでも、室温を下げる効果があります。
こうして夏を涼しくする工夫は、すだれや風鈴のある日本では伝統的に行なわれてきたはずです。でも、その伝統はエアコンの普及で、忘れられてしまったのではないでしょうか。
もう一つ大切なのは、都市全体を冷やすことです。
都市開発において街の風通しがよくなるように、道路の広さや建物の配置を考えます。また緑地化によって街の中に木を増やして、街に木陰をたくさんつくります。その他、歩道は太陽の照り返しの強いアスファルトやコンクリートにせず、できる限り土や敷石にします。
こうして、街を冷やす工夫をします。
(2018年5月30日記載、2018年7月09日エネルギー選択
宣言ブログから移転)
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