2019年1月09日掲載 − HOME − 再エネいろは一覧 − 記事
送電網、配電網の公共性を確保するとは、どういう意味なのか?
再生可能エネルギーQ&A

前回、送電網と配電網は公共性があるものなので、公営化などを考える必要があると書きました。


ただそれでは、そのコスト負担が納税者負担、消費者負担になってしまい、そのコストが消費者に押し付けられるだけではないかという心配も出てきます。


ドイツでは、消費者に電気を届ける配電網を市民所有とするか、公営化する傾向が出てきています。それによって、再生可能エネルギーを使いたいという市民の意思を反映させようとしています。熱源を供給する地域熱供給配管網も、市民が資金を出し合って設置しているところがあります。それによって、熱供給において再生可能エネルギー化を進めます。


これは、何を意味するのでしょうか。


エネルギーの供給を電力会社など経済に強制されずに、自分たちで選択し、管理するということです。つまり、それによってエネルギー自治を実現します。


それが、消費者の意思によって再生可能エネルギーを選択する基盤になります。


それは同時に、経済性を優先せずに公平にエネルギーを供給する基盤にもなります。再生可能エネルギーは地産地消費が原則なので、小さな地域の枠組みでもエネルギー供給が可能です。そのためには、住民同士で資金を出し合って設置できる小さな配電網、配管網があればいいのです。


配電網、配管網の設置よって、その使用料による収入が発生します。それが、また地元に利益をもたらすことになります。


再生可能エネルギーを利用すれば、これまで石油、石炭、ガス、ガソリンなどに支払っていたコストがなくなります。


再生可能エネルギーの地産地消という特徴が地域のコストを低減し、地域振興の輪を広げます。


(2019年1月09日)

前の項へ←←      →→次の項へ        →一覧へ
この記事をシェア、ブックマークする
このページのトップへ