2021年7月07日掲載 − 再エネいろは
再エネで自分で発電すればプロシューマーということか?
再生可能エネルギーQ&A

ぼくはこれまで、「プロシューマー」ということばを使ってきませんでした。ぼくたち消費者が自宅の屋根にソーラーパネルをつけて発電すれば、プロシューマーです。


「プロシューマー」とは、「生産者(Producer)」と「消費者(Consumer)」を合成させた造語です。日本語では、「生産消費者」ともいわれます。消費者が何らかの生産活動を行えば、生産消費者となります。


『第三の波』(徳岡孝夫訳、中央公論社刊)という本を知っている方もいるかと思います。未来学者アルビン・トフラーが、1980年に出した本です。そこではじめて、「プロシューマー」ということばが使われました。日本語では、「生産=消費者」となっていました。トフラーは、市場における経済活動以外に、市民が市場外において無償で経済活動を行って富を生み出しているとします。



再エネによる発電は、消費者が発電という生産活動をします。発電された電気は、自分で使い、余剰電力を市場に売ることができます。あるいは、発電されたすべての電気を売ることもできます。


その点で、トフラーが無給の仕事といった「第三の仕事」と異なり、消費者による再エネ生産活動は、金銭経済と密接に結びつけることができます。ソーラーパネルによって発電された電気では、品質に問題がありません。消費者が発電しても、発電された電気は専門の発電事業者の発電した電気と変わりません。


電気の安定供給については、発電電力量に変動があります。でもそれは消費者生産の問題ではなく、再エネ発電全体の問題です。


再エネによる消費者発電が増大するにつれ、電力業界における発電を縮小せざるを得なくなります。しかし、消費者によって発電された電気を電力システムにうまく組み込むためのシステム開発において、新しいビジネスチャンスが生まれます。


ドイツの環境シンクタンクがカーボンニュートラルを実現するための2030年までの具体的な施策を提案したことは、すでに報告しました(「カーボンニュートラルに向け、独環境シンクタンクが具体的な施策案」)。そこでは、新築建物の屋根にソーラーパネルの設置を義務付け、プロシューマーをより支援すべきだと提案しています。


これは、再エネへのエネルギー転換によって、プロシューマー(生産消費者)が発電ばかりか、経済活動において大きな意味を持つようになることを示します。


現在の経済活動の基盤となっている産業革命とともに、生産者と消費者は役割分担化され、生産者と消費者は分離してしまいました。でも再エネによって、それが(再)融合されようとしているのだと思います。


再エネとともに、新しい経済活動形態が形成され、新しい富が生まれます。ぼくはそれが、これからの経済と社会を変える大きなインパクトになると思っています。市民がやることだからと、無視してはなりません。


(2021年7月07日)

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関連サイト:
独環境シンクタンクによるカーボンニュートラル50の施策(プレスリリース、ダウンロード、ドイツ語)
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