現在、温室効果ガスの影響で地球が温暖化することが問題視されているが、問題は気候の変動だけで済むのであろうか。
ドイツ・ホーエンハイム大学の研究者は、50年後、100年後の空気中の二酸化炭素濃度を想定して、二酸化炭素濃度を上げた状態で大麦、小麦、ジャガイモ、トマト、大豆を実験的に栽培してみた。
その結果、農作物の成長はそれによってよくなるものの、栄養素が不足することが判明したという。小麦は粘着性がなくなることから、パンを焼くことができなくなり、ジャガイモでは有害物質が増加した。
栄養素が減る原因は、植物がタンパク質をあまり必要としなくなるからで、それによって植物の葉に窒素を十分に蓄える必要がなくなり、農作物が熟す時に必要な窒素が不足するからだという。
実験の結果から、ホーエンハイム大学の研究者は、50年、100年後には現在の農作物が食料として役立たなくなる可能性が高く、何か新しい農作物ないし品種改良した農作物が必要になるとしている。
(2007年4月11日) |