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反原発運動ルネッサンス?  1/3
(2008年11月18日)

11月7日、ドイツの中間貯蔵施設に向かって、高レベル放射性廃棄物の入った輸送容器(キャスク)がフランスの再処理工場を発った。


ドイツにとって、2年ぶりの放射性廃棄物の輸送だった。


今回の放射性廃棄物輸送では、緑の党首脳が総出で反対デモに参加するなど、原子力反対派が予想を上回る結集力を示し、執拗な行動で輸送経路を封鎖。高レベル放射性廃棄物の入ったキャスクは何度となく、身動きできない状態に陥った。


そのため、キャスクは予定より数日遅れ、11日になってようやくゴアレーベンにある中間貯蔵施設に収容された。放射性廃棄物の輸送では、これまでで一番長い日数を要したのだった。


反対派は概ね、非暴力で反対デモを行い、警官隊ともほとんど衝突することがなかった。


原発反対派は、今回の反対デモを大成功と評価する一方、治安当局は反対派の執拗な行動に手を焼くと同時に、警備コストが膨らむのに頭を悩ます。


来年2009年は総選挙の年。脱原発政策維持か、脱原発の撤回かを決める重要な選挙となる。


総選挙で、キリスト教民主/社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党(FDP)の中道右派政権が誕生すると、脱原発政策は撤回され、これまで適正調査が中断されていたゴアレーベンの最終処分予定地が、最終的に高レベル放射性廃棄物の最終処分地に決定されるのは間違いない。


だからこそ、今回の輸送を妨害することには、これまで沈静していた反原発運動を復活させ、反対派が健在であること、脱原発が撤回されると、再び反対運動が激化することを警告する重要な意味があった。


その意味で、今回の反対デモは大成功。だから、反原発運動が復活した、反原発運動のルネッサンスだともいわれている。


(2008年11月18日)
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