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反原発運動ルネッサンス?  3/3
(2008年11月18日)

現在、反対派がターゲットにできるキャスクは、仏ラアーグの再処理工場からゴアレーベンの中間貯蔵施設に輸送されてくる高レベル放射性廃棄物のガラス固化体の入ったキャスクだけしかない。


だが、ガラス固化体の輸送は、年に1回あるかないかと頻度が少ない。


ガラス固化体は、ドイツの原子炉で燃えた使用済み燃料を再処理して、高レベル放射性廃棄物を固めたもの。ドイツにとっては、自国に引き取って処分すべきものだ。


それを妨害すれば、ガラス固化体はドイツに持ってくるな、と身勝手な行動と見られかねない。


また、闇雲にガラス固化体の輸送に反対するだけでは、すでにある放射性廃棄物の処分をどうするのか、問題を解決することにはならない。


そのため、原発に反対する緑の党でさえ、政権政党だった当時は、首脳部が自らが、ガラス固化体の輸送に反対するのはおかしい、だから反対してほしくないと声明していた。


しかし緑の党は、そんなきれいごとをいっておれる状態ではない。


来年9月には総選挙がある。緑の党にとっては、脱原発維持か、撤回かの重要な選挙となる。


だから、キャスク輸送を妨害して、反対運動を行い、存在を示すしかない。ただ、緑の党はひとつ重大なことを忘れている。


それは、自分たちが政権の座についていた時に、実施できなかった課題だ。


緑の党は、最終処分地の再選定を目的に、ゴアレーベンの最終処分予定地の調査を中断し、最終処分地を再選定するための手順を取り決めた。


しかしそれ以降、電力業界などの反対で、最終処分地選定問題は先に進まず、宙ぶらりんとなった状態で、政権の座から降りることになってしまった。


来年9月の総選挙で中道右派政権が誕生すれば、脱原発政策が撤回され、ゴアレーベンが正式に最終処分地になると見ていい。


しかし、ゴアレーベンの岩塩層が高レベル放射性廃棄物の最終処分に適するかどうか、研究、調査するために設置されていたアッセ最終処分研究施設の坑内に水が出ることが発覚し、岩塩層の適正に疑問を抱かせる問題が出てきた。


だから、反対派は余計に最終処分地の安全性に不安を抱く。


今、政治に求められているのは何か。


原発問題に明確なビジョンを示し、最終処分問題解決に向けた具体策を提示することだ。


同時に、反対運動にも、単に反対するだけではなく、自分たちは原発なしにどういう社会を造るのか、廃棄物処分についても国民が納得する形で解決するにはどうしなければならないのか、独自の案を提示していくことが求められる。


もう反対だけすればいいという時代は終わったのだ。(fm)


(2008年11月18日)
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