金融危機で世界的に景気が後退し、実体経済への影響が心配されている。同時に、それによってこれまで設定された温暖化対策の目標がどうなるかも気になるところ。
EUは2007年3月、EU域内の温室効果ガスの排出量を1990年比で2020年までに最高20%削減することで合意した。それを実現するための包括案が今年12月に決議される予定だ。
ただ、イタリアや東欧諸国は、金融危機による景気後退で産業界には温暖化対策に投資するだけの余力がなくなるとして、20%削減目標を達成する期限を延期するよう求めていた。
しかし、ブリュッセルで行われたEU首脳理事会は16日、目標達成期限をこれまで通り維持することで合意した。
ただ、新車の二酸化炭素排出量を2012年までに120g/kmに削減するという目標は、2015年に延期することになった。自動車産業では、すでに金融危機の影響で販売台数が大幅に減るなど、影響が大きいからだという。
(2008年10月16日) |