自然エネルギーは風と太陽光の有無で発電量が大幅に変動するので、その変動をカバーする発電方法が必要だ。それは、電力を貯蔵する技術が進んでいないからでもある。
問題は、カバーする発電所は常に動いているわけではなく、自然エネルギーで発電される電力では需要をカバーできない時にだけ立ち上げなければならない。
それは、それを維持する経費負担が大きい割に、利益が出ないということでもある。だから、みんなやりたがらない。
でもエネルギーの貯蔵技術が出てくるまでは、どうしてもそのカバーが必要だ。
これは過渡的に必要なので、せっかく投資して建設してもいずれ不要になるのであれば誰も新設したがらない。
この問題を解決するためには、これまで電力売買だけの電力市場だけではだめで、カバー用に新しい市場が必要になってくる。たとえば米国ではそのために、すでに容量市場(キャパシティマーケット)という新しい市場が誕生している。
要は、カバー用の発電所をキープしておくための市場だ。
ドイツは、まだ新しい市場設計をどうするか決めていないので、ここのところでは二の足を踏んでいる。新しい市場をつくっても、それはエネルギー転換するまでの過渡期的なものだからだ。
新しい市場ができてしまうと、それを将来なくしてしまうのもたいへんな問題になる。
そのため、ドイツでは容量市場を造らず、戦略的に変動を調整する発電所をキープするほうがいいという意見もある。
ドイツではこれから具体的な施策について議論されるが、これは難しい問題だ。
(2014年11月17日、まさお) |