今年5月、岐阜県にある瑞浪超深地層研究所で火事があった。火事が起こったのは、地下200メートルの坑道。けが人はなかった。
研究所を管理する原子力機構東濃地科学センターの発表によると、坑道壁面が幅1メートル、高さ1.3メートルに渡って焦げた。送風管の一部も焦げたという。
瑞浪超深地層研究所は原子力機構の研究所で、放射性廃棄物の最終処分に向けて地層調査などが行なわれている。
研究所の問題に詳しい地元活動家によると、研究所自体を法的に規制する法規がないという。規制に向けて調査するのも、研究所の目的だという論理だ。ただ労災防止のため、労働安全衛生法に基づいて安全対策が講じられている。
ドイツでは、最終処分調査坑は鉱山の一種とみなされ、まず鉱山に関わる法規が適用されると、現場で聞いた。それによって、必要な土地取得や坑道工事、労働者の安全などが、鉱山法によって規制される。
筆者には、それがとても明快なように思える。日本には、鉱山に関して鉱山保安法などがある。それが研究所に適用されない理由が、よくわからない。
周辺住民には、研究目的で調査される地域がそのまま最終処分地となるのではないかとの不安も大きい。
研究所の土地賃貸借契約は、2022年1月で終了する。岐阜県知事、瑞浪市長などは、それまでに研究所を埋め戻して返還するよう要求している。
(2018年8月12日) |