2018年11月24日掲載 − 再生可能エネルギー
家庭の生活熱を回収する

大きなビルやホテルでは、建物の室内の熱を換気装置で回収して、その熱を暖房や給湯のために再利用するのが普通になっている。それによって、省エネ効果を上げることができる。


ドイツで新築される住宅では今、それを一般家庭でも採用する傾向が出てきている。そのモデル事例として、「エネルギー選択宣言」の「ヒートプンプによる熱供給」においてモデルハウスを紹介した。


居間など広い空間のある部屋に、給気するためと、排気するための換気口をつけて、部屋の空気を循環させる。排気口から回収された空気は、地下にある熱交換器に送って、空気中の熱を回収してその熱を再利用する。


窓を大きくして、太陽の光ができるだけ多く部屋に入るようにすれば、太陽の熱で部屋の空気が温まる。照明器具など家電製品は使うと温かくなるので、その熱も室温を上げる。パソコンの熱もそうだ。人間の体温も、人が室内にいればわずかだが室温を上げているはずだ。夜にロウソクを点ければ、ロウソクも熱を発する。キッチンで料理をしている時も、たくさんの熱が出ている。


熱を発しているのは、暖房器だけではない。


こうした日常生活で発せられる熱を回収して、有効に再利用する。こうして回収した生活熱の最低80%は、再利用できるという。


回収した熱を暖房用に使うヒートポンプに送れば、その分ヒートポンプで省エネできる。給湯用のタンクに回収した熱を貯蔵しておけば、その分加熱するのに必要なエネルギーを省エネできる。


ドイツでは、こうした省エネルギー住宅をパッシブハウスという。住宅のパッシブハウス化と再生可能エネルギーを組み合わせれば、生活による二酸化炭素の排出量を限りなくゼロにするか(ゼロエミッション)、二酸化炭素の量を増やさないこと「カーボンニュートラル」(「二酸化炭素はどうなるのか」参照)も可能だ。


たとえば、ドイツ南西部のハイデルベルク市にできた世界最大のパッシブハウス住宅地「バーンシュタット(Bahnstadt)」では、ゼロエミッションを実現している。7000人弱の住民が生活しているという。


(2018年11月24日)

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