2018年8月19日掲載 − HOME − 再エネ一覧 − 記事
自家発・自家消費へ

先週14日、ドイツ北西部にあるオルデンブルクで、NPO法人アースウォーカーズの独日交流プロジェクトで福島県からきていた高校生9人と一緒に、自宅を徹底して再エネ化、省エネ化したランガーさんのお宅を見学させてもらった。


ランガーさんは、2014年から2015年にかけてオルデンブルク郊外に家を新築した。その時、エネルギー消費の少ない低エネルギーハウスにしたいと思ったという。


しかしどこに相談すればいいのかわからず、自分で勉強するほか、設備メーカなどからアドバイスを得て、エネルギー消費を少なくすることを考えた。


家の屋根には、太陽光で発電するソーラーパネルが設置されている。発電された電気はまず自宅で消費し、残った電気を地元の配電会社に売電している。それで、利益も出るという。


暖房などに必要な熱は、家の屋根に設置された太陽熱温水器で水を加熱する。70度くらいになるという。その熱を地下にあるタンクに貯蔵する。さらに居間に設置された暖炉の上部に水を貯めるタンクがあり、ここでも暖炉の熱で水が加熱される。この熱も、地下にあるタンクに送られる。


地下には、換気装置もある。居間に空気を送るほか(吸気)、居間の空気を吸引している(排気)。居間から戻ってきた空気中の(廃)熱は換気装置にある熱交換器で吸収し、その熱も地下のタンクのお湯を加熱するのに使われる。


建物の外壁を十分に断熱して、熱が外に逃げないようにすることも忘れなかった。


毎日お湯が必要な時間は、地下にあるコントロール装置「ウィークリーカレンダー」にプログラミングされている。いつも必要な時間には、十分に熱いお湯を使うことができる。


ランガーさんは、自宅の省エネ度を証明するエネルギー証明書も見せてくれた。ランガーさんの家では、一般家庭で消費するエネルギーの30%程度しか消費していないという。


自宅で発電して消費する自家発・自家消費へと進んでいるといえる。


福島県の高校生からは、ドイツの家庭における実状を見ることができて、わかりやすかったとの声が聞かれた。

(2018年8月19日)

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