2018年2月25日掲載 − HOME − 再エネ一覧 − 記事
周波数を監視する蓄電システム

ドイツ北東部メクレンブルク・フォアポムメルン州州都のシュヴェリーンで、出力約15メガワットの蓄電システムを見てきた。


蓄電池は、サムスン製のリチウムイオン電池。この蓄電システムは、配電網の周波数50Hzを安定制御して電気の品質を維持するためのもので、送配電網が確保する調整力(ここでは、一次予備力といわれるもの)を用いて「アンシラリーサービス」を提供する。


配電網の電気の周波数が50Hzを超えると、配電網への電気の流入量が増えたので、その電気を整流器で交流から直流に変換して蓄電池に貯蔵する。周波数が50Hzを下回ると、電気の流入量が減ったので蓄電池にある直流電力を整流器で交流に変換して配電網に電気を供給する。こうして、周波数を安定させる。


この蓄電システムでは、この制御がすべて自動で行なわれている。


シュヴェリーン周辺地域では、発電量の変動の大きい再生可能エネルギーで発電された電気だけが供給されているので、その電気の周波数を安定させるためにはどうしてもこの種の蓄電システムが必要になっている。


そうしないと、周波数の変動に敏感な産業用機器などに不具合が発生して、稼働しなくなる恐れがある。


(2018年2月25日)
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