前回、ハイルブロン市において街をバリアフリーにする事例を紹介した。
今回は、ハイルブロン市において街をどのように歩行者専用にしているか、その具体的な方法について紹介する(写真をクリックすると、写真が拡大されます)。
歩行者専用道路は、左の地図中においてベージュ色でマーキングされている。現在、店舗が並ぶハイルブロン市中心街と、ネッカー川辺りの道路が歩行者専用になっている。
ただ店舗やレストランなどに必要な物流のため、歩行者専用道路は、夜の20時から午前11時まで車に解放される。
ハイルブロン市内を歩いて見ると、歩行者のために十分すぎるくらいのスペースがとってあることがわかる。
左の写真からもわかるように、木々がたくさんあり、緑がとても豊富だ。それが、街にゆったりとした雰囲気を与えている。
歩行者オンブズマンのパプシュさんによると、歩行者専用道路には、ベンチのほか、こどもの遊び場なども設置するのが大切だという。写真のこどもの遊び場では、こどもの安全のため、地面がゴムマットがはられている。
また、道路の脇に木を植えて影をつくることも重要だ。木を植樹できないところでは、天幕を張って人工的に影をつくる。
ネッカー川の辺りを並行して走る道路は、優先的に歩行者専用道路に切り替えられた。道路にレストランが並ぶところでは、それによって活気を取り戻したという。
川の辺りの歩行者専用道路の一部は遊歩道にもなっており、両側が木に囲まれ、木でできたトンネルのようなイメージだ。
遊歩道は、約3キロメートルに及ぶ。生活するとは動くことだとして、市民が歩いて健康促進することを推奨する。
そのため、遊歩道には看板が立てられ、歩くことを生活の一部にするよう勧めている。
周囲が歩行者専用エリアとなっている川には、橋もある。だが、橋では車の走行が制限され、一方通行になている。
速度も、時速30キロメートルまでに制限されている。
次回は、歩行者のためにどういう標識が必要になるかについて、その事例を紹介したい。
(2019年10月19日)
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