2020年10月31日掲載 − 再生可能エネルギー
ベルリン、配電網を再公営化へ

地元紙の報道によると、ベルリン市が市内の配電網を買い取ることで決着する模様だ。この問題ではこれまで、両者による交渉が難航していた。


ただ今回、大手電力会社ファッテンファル社がベルリンの配電網を所有する子会社をベルリン市側に売却するオファーをした。市側はそのオファーを受け、配電網を再公営化することになる。


ベルリンでは2013年に、配電網を再公営化するかどうかで住民投票が行われた。しかしその時は、再公営化への支持が数千票足りず、住民投票に必要な有権者の25%の得票を得ることができなかった。


ただベルリン市側の配電網再公営化への意欲は、衰えない。


ドイツでは、配電網の運用権が20年毎に入札で決定される。配電網が埋設されている道路が自治体のものであるからだ。そのため、その使用を特定の企業だけに認めるのではなく、広く応募して決定する。応札した事業者は自治体に道路使用量を支払うが、それは電気料金に上乗せして回収される。


ベルリンではその入札が、2014年に行われた。ただ、ベルリン市の公営子会社エネルギー・ベルリン社が応札することが確定するまで、5年近くもかかった。


ベルリン市側はその後、配電網を所有するファッテンファル社の子会社シュトロームネッツ社とその売却額で交渉する。しかし両社の間では、合意できない状態が続いていた。


ドイツでは現在、自治体が配電網を買い取る傾向が強くなっている。正確には、再公営化といったほうがいい。配電網は以前、自治体所有の都市電力公社(シュタットヴェルケ)が所有していたからだ。たがそれが、1990年代後半の電力市場の自由化とともに民間電力会社に売却されていた。


再生可能エネルギーを普及させるには、再エネ電力を販売する新電力(小売事業者)が配電網の利用で不利にならないようにしなければならない。ただ民間大手電力が配電網を所有していては、再エネ新電力が不利な条件で締め出される心配がある。


そのため、配電網を自治体が管理するか、市民による協同組合が管理することで、電力小売事業が公平に行われる条件を整備しなければならない。配電網の再公営化はそのためのものだ。


ドイツではすでに、ドイツ北部のハンブルクや南西部のシュツットガルトなどの大都市で、配電網がすでに再公営化されている。


(2020年10月31日)
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