2021年10月30日掲載 − HOME − 再エネ一覧 − 記事
食用油を航空機の燃料に再利用

これまで航空機の燃料に関しては、燃料電池を利用する方法(「ゼロエミッション飛行機の開発」)と、「e-fuel(e燃料)」といわれる水素と二酸化炭素を合成する燃料(「グリーンな飛行機燃料eケロシンを製造」)があることを報告してきた。


実は、他の方法も試行されている。たとえば使い古した植物性食用油をリサイクルして飛行機の燃料とすることだ。欧州の航空機製造メーカのエアバスは今年2021年5月、古食用油と航空機の燃料ケロシンを混合した燃料で、エアフランスのA350機をパリからカナダに試験飛行させたことがある。


古食用油など生物資源を原料とする航空燃料は「持続可能な航空燃料(SAF)」といわれる。SAF燃料が100%になると、二酸化炭素の排出が実質ゼロとなる。


エアバスが発表したところによると、2021年10月28日、同社のA319Neo機を使って、SAF燃料100%の航空燃料を使って試験飛行をしたという。


SAF燃料は、バイオマスや使い古した植物性食用油から製造された。エアバスの他、フランスの航空機関連会社、研究機関などが共同開発した。


来年2022年には、市場に出したいという。


ぼくは以前、使い古した植物性食用油で走る自動車について記事を書いたことがある。その時は、車の中では天ぷらを揚げる匂いがするかもと書いた(「天ぷらの匂いを嗅ぎなら運転するのも悪くない」)。ただ自動車では、食用のアブラナがそれによって減る心配がある。燃料には現在、使い古した油しか使えないようになった。その結果、供給量が俄然減っている。


エアバスはこの問題を、どう解決するのか。プレスリリースだけからではわからない。


SAF燃料100%の航空燃料でも、機内では天ぷらを揚げる匂いがするのかな。それも悪くはないけど、長時間ではちょっと気分が悪くなるのではないかな。


SAF燃料を使うなら、機内食に揚げたての天ぷらも出てくるような技術開発もお願いしたい。でもそれは、日本人の勝手な願いかな。

(2021年10月30日)

記事一覧へ
関連記事:
グリーンな飛行機燃料eケロシンを製造
ゼロエミッション飛行機の開発
天ぷらの匂いを嗅ぎなら運転するのも悪くない
関連リンク:
エアバスのプレスリリース(英語)
この記事をシェア、ブックマークする
このページのトップへ