ドイツの電事連BDEWは(2022年)12月16日、ドイツでは2022年の電力消費における再生可能エネルギーの割合が47%と、年間の電力消費としてはこれまでの最高値に達したと、暫定的な結果を発表した。前年は、42%だった。
総発電電力量に占める再エネの割合にすると、再エネの割合は45%となる。ただここでは、輸出された発電電力量もここに含まれるので注意が必要だ(前年は40.5%)。
再エネの割合が増えた要因として、2022年初期に風が豊富にあったことから陸上風力発電の発電電力量が増えたこと、さらに夏の日照時間が長く、太陽光発電の発電電力量が増えたことを挙げることができる。そのほか、洋上風力発電とバイオマス(ガス)発電の発電電力量も増えている。
再エネ全体におけるそれぞれの内訳は、陸上風力発電が39%、太陽光発電が24%となる。次に、バイオマス(ガス)発電の18%、洋上風力発電の10%、水力発電の7%が続く。
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ドイツ北部デンマーク国境沿いにある地元市民が投資してできた市民風力発電施設 |
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ドイツ電事連によると、今後電力の安定供給をより確実にするには、再エネばかりでなく、エネルギーの貯蔵技術、再エネ拡大に合わせた送電網の整備、水素型ガス発電への投資が必要だとする。
現在ウクライナ戦争に伴い、エネルギー供給が緊迫してエネルギーが高騰しているが、こういう厳しい時代だからこそ、エネルギーの国内供給を拡大させ、安定供給をより保証する必要があるという。
ドイツ電事連と共同で、再エネの発電データを把握しているバーデン・ヴュルテムベルク太陽エネルギー水素研究センター(ZSW)のシュタイス理事によると、短期的なウクライナ戦争に伴うエネルギー問題ばかりでなく、長期的に見た将来のカーボンニュートラルを目的として、製造業が再エネに投資する起爆剤にならなければならないとし、製造業が気候保護の推進役として投資を加速させるような法的な枠組みが必要になっているとする。
ドイツ電事連はさらに、市民レベルにおいて自家発電自家消費を可能としたり(プロシューミング)、集合住宅において住民が共同で発電する、あるいは市民レベルでエネルギーをシェアする可能性についてルール造りを進める必要もあるとする。
(2022年12月25日)
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