道路など交通インフラをうまく使えば、発電に使えるはずだ。それが今、いろいろな形で研究開発されている。
ドイツのフランホーファー・ソーラーエネルギー・システム研究所(ISE)は長年、交通インフラをうまく利用して太陽光発電する方法について研究開発している。たとえば、高速道路などの防音壁や自転車専用道路、道路の路肩などを太陽光発電に使えば、最低72GWの発電容量が生まれるという。
ドイツの高速道路は、全長1万3000キロメール超に上る。世界で4番目に長い。その高速道路を太陽光発電にうまく利用できないか。
ドイツのISEの他、オーストリアとスイスの研究機関は共同で、高速道路の上にソーラーパネルを設置する可能性について、数年前からその研究開発に取り組んでいる。
その試験パネルが昨年2021年5月、ドイツ南西部のバーデン・ヴュルテムブルク州で設置された。このソーラーパネルは、10x17メートルとまだ小さい。路面から5.5メートル高い位置に設置されている。
高速道路に屋根を設置してソーラーパネルを設置するには、屋根には事故で破損しないだけの強度が求められる。その屋根の長さが80メートルを超えると、トンネルと同じ安全性が求められるという。
それで、経済性があるのか。高速道路の路面全体に屋根を設置することは考えられない。どれくらいの長さの屋根で、どれくらいの間隔で設置すれば、交通安全上問題ないのか。研究開発において、調査されなければならない。
高速道路の上に屋根を設置することによって、防音効果はあるのか。屋根によって、紫外線や熱、豪雨など路面を厳しい気象条件から保護する効果はあるはずだ。研究開発では、いろいろな観点から調査しなければならない。
また、高速道路の屋根に設置するソーラーパネルの適切な構造と強度について、さらに採光の方法についても、研究開発されなければならない。
プロジェクトはまず、2023年2月まで続けられるという。
(2022年3月31日)
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