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本カバーの裏表紙(上の写真)と本体奥付け(下の写真)にFSCマークと登録番号が入っている |
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4年前に出版する時、簡単に断念して電子書籍にしました。しかし次に日本で紙の本を出すなら、絶対にFSCマーク付きの紙で出版したいと思ってきました。
今回その希望を実現するため、事前にFSC Japanに問い合わせるなどして、日本でもFSCマーク付きの紙で出版できることを確認しておきました。
日本ではすでに90社以上の印刷所がFSC認証を受け、FSCマーク紙に印刷して製本できるようになっています。
ドイツでは本に、FSCマーク紙やカーボンニュートラル紙を使うのは当たり前になっています。しかし日本の出版界ではほとんど、環境と気候変動問題を考えた紙が選択されていません。
FSCマーク紙とは、持続可能な森林管理によって製紙された紙であることを認証するマークです。樹木が温室効果ガスである二酸化炭素を吸収してくれることを考えると、地球温暖化対策として森林を守り、持続可能な形で森林を維持していかなければなりません。
気候変動問題を考えると、紙の本にFSCマーク紙を使わないとぼくには本において、説得力のある形で気候変動問題について議論することができません。
FSCマーク紙は割高だし、印刷所に印刷前に必要なファイルをすべて揃えて出さなければなりません。それを基盤に、印刷所がFSC登録番号を取得して許可をもらいます。
そのため、印刷と製本に手間と時間がかかります。
これらの問題は、地球温暖化の問題に比べて負担ですか。ぼくはそうは思いません。地球温暖化のほうが格段に重大な問題です。
ぼくは今回、コスト増を自己負担するほか、出版社と共同出版する形にしたのでFSCマーク紙を使って出版できました。しかし、こんなことではいけないのです。出版社自体が本の役割を考えてFSCマーク紙を使い、社会をリードしていくべきだと思います。
この次に出す本『「小さな平和」を求めて』(2025年4月出版予定)も、FSCマーク紙を使って出版します。
ドイツと同じように日本でも、本においてFSCマーク紙など気候変動問題を考えた紙を使うのが当たり前になってほしいと思います。 |