いくら世代間に公平さが必要だからといっても、再生可能エネルギーへの転換を進める上で、現代の市民がそれによって生活できなくなるようでは困ります。
再生可能エネルギーへ転換するプロセスでは、電気料金が上がります。ただ再生可能エネルギーで発電された電気だけのほうが、電気料金が安定しているともいえます。それは、再エネ電気を固定価格で買い取る固定価格買取制度があるからです。
ぼくはドイツで電気の小売が自由化されて以来、再エネ電気だけを供給してもらっています。でもその他の電気との料金の差は年々小さくなり、今はほとんど違いがないくらいになっています。再エネ電気商品によっては、従来の発電方法で発電された電気商品より安いものも登場しています。
それは、石炭など化石燃料の価格が上昇しているからです。その値上げ幅のほうが大きい。それが、従来の方法で発電された電気の料金が上がり続けている要因です。
それに対して、再生可能エネルギーでは固定価格が毎年下がります。ただ、一旦決まった固定価格が20年間固定されるので、過去の負担が大きいともいわなければなりません。
また、再生可能エネルギーの普及率に応じて固定価格買取制度も改革していかなければなりません。ドイツは現在、入札制度によってその固定価格を決めています。それによって、固定価格が格段に下がりました。それとともに、固定価格買取制度による負担が軽減されています。
電気料金のグラフが右肩上がりとなる従来の電気と、右肩下がりとなる再エネ電気。いずれ、再エネ電気のほうが安くなります。
たとえばグーグルやフェイスブック、ヤフーなどIT産業では、電気消費量がとても多くなっています。サーバーなどのあるデータ処理センターでは、サーバーばかりでなく、クーラーなどその他の機器もフル稼働しています。
この現実に対応するため、グーグルなどIT産業は再生可能エネルギーへの投資を拡大し、電気を再生可能エネルギーで供給しようとしています(エネルギー選択宣言ブログの記事「デジタル化は電気の食いしん坊 」を参照)。
でも一般市民は、電気料金が高いという問題に具体的にどう対応すればいいのでしょうか。
これについては、次回述べます。
(2019年1月23日)
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