前回、交通手段をできるだけシェア化することについて書きました。それについて、なぜかと疑問に思う人もいると思います。
なぜ、交通手段をシェアするのでしょうか。
電車や地下鉄、バス、トラムなど、公共交通は乗り合いです。乗り合いとは、交通手段をシェアすることです。
公共交通の利点は、何でしょうか。
誰にでも利用できるということです。高価な自動車を買う必要はありません。運転免許書も必要ありません。渋滞に巻き込まれる心配も少ないという利点があります。駐車場を見つける必要もありません。
一度にたくさんの人を輸送できるので、省エネ効果があります。
ですから公共交通を整備して、公共交通中心の交通に転換するのが、まず第一に取り組むべき課題です。
さらに、その他の交通手段もシェアします。
タクシーを乗り合いにすることをはじめとして、これまで個人で利用していた自動車や自転車、バイク、スクーター、キックボードなどあらゆる交通手段をシェアすることを考えます。
そうすれば、個人で自動車などの輸送手段を所有する必要はありません。車庫も必要ありません。その結果、必要な交通手段の台数が減るので、資源を削減できます。交通手段を何人もでシェアするので、省エネになります。
自分の自動車など輸送手段を持っていないと、本当に必要な時にしか燃料を使って移動しなくなります。それ以外は、自転車を使ったり、歩いて移動する機会が増えます。それも、ちょっとした省エネです。
交通手段をシェア化するのは、交通手段を電化することと密接な関係があります。
公共交通は、主に電化されています。それ以外の電気自動車などの交通手段は、蓄電池に電気を充電して走ります。そのため、走行距離には限界があります。短い距離を電気自動車などの小型の輸送手段を利用して、公共交通では実現できないドアからドアへの移動を可能とします。
長い距離は公共交通を利用し、短い距離を電気で走る小型の輸送手段でできるだけドアからドアに移動できるようにする。それによって、これまでガソリンなどの化石燃料を使った自動車中心の交通を換えるのです。
電気を使って移動するので、交通の再生可能エネルギー化も実現しやすくなります。交通手段をシェアするので、その分電気の需要を抑えることもできます。
交通手段のシェア化は、デジタル化なしには考えられません。スマホにアプリをインストールすれば、簡単にシェアする輸送手段を利用できます。今後益々、新しいシェアビジネスが登場すると思います。
(2019年5月15日)
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