なぜ、再エネいろはで交通改革を取り上げるのかと疑問に思うかもしれません。エネルギー転換によって再生可能エネルギーへ切り替え、その電気を使って電車やトラム、自動車を動かせばいいだけではないかと思うかもしれません。
ぼくは、そうは思いません。
エネルギー転換によって、社会は大きく変わると思います。いや、変わらざるを得ません。エネルギー転換とは、単に原子力発電や火力発電に代わって、再生可能エネルギーによって発電されるだけではありません。再エネは地産地消を基本とするので、社会構造も変わってきます。
再エネ化とともに、エネルギー供給のデジタル化が速い速度で進んでいきます。その一環で、電気を電気自動車の蓄電池に蓄電しておいたり、その電気を家庭で使ったり、あるいは公共送電網に給電します。エネルギーを使う分野がネットワーク化され、すべてが自動で行われます。
それと並行して、交通においてもデジタル化が進みます。交通システムのデジタル化だけではなく、運転者なしの自動運転なども普及してきます。
デジタル化においては、エネルギー供給と交通において人工知能(AI)が使われていくのは明らかです。
それによって、エネルギー供給と交通がより高効率化されるのが期待されます。
エネルギーを効率良く分配、貯蔵して、エネルギーの使用量を減らします。交通では、移動方法が効率よく分配され、自動車台数を大幅に減らします。これらをすべて自動で行うので、送電網や道路、線路もそれに適するように整備されていきます。
自動化ともに、社会生活も大きく変化してきます。
これまで何回か述べてきましたが、再エネ化とともに交通により多くの電気を使います。その結果、交通量を減らすことも必要になります。それもできるだけデジタル化によって自動で実現します。
エネルギーを使う分野をすべてネットワーク化させ、自動化によってエネルギーをより効率よく使います。エネルギーを電気や燃料などと区別するのは、時代遅れになると思います。
エネルギーを使わない方法も普及します。自動車に代わって、自転車などの移動手段も増えてきます。
エネルギーも使わないことも含め、エネルギーをどう効率よく使うのか。そのための頭の切り替え、イメージの切り替えが必要になります。
こうして見ると、エネルギー転換と交通改革は切り離せないことがわかると思います。
(2019年6月05日)
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