身の回りにエネルギー(源)があるとは、どういうことを意味するのでしょうか。それを考えるのは、再生可能エネルギーにとってとても大切なことです。
ここでは、大きく分けて2つのことがポイントになると思います。
一つは、身の回りにあるのだから、誰にでもエネルギーを使う権利があるということです。
太陽光と風に対しては、誰にも所有権がありません。誰が使ってもいいのです。だから、それにお金を支払って買う必要もありません。
水力も、ダムを造って発電するわけではなく、小川に流れる水を使うだけなので、誰にでも使えます。
それは、バイオマスなどの生物資源についてもいえます。
生物資源は、伐採された木の枝やおがくず、生ゴミなど、これまでゴミとして捨てられていたものです。誰かに所有権があるわけではありません。むしろゴミを引き取るのだから、その引き取り代をもらいたいくらいです。
石炭や石油などのエネルギー(源)を買わない限り使うことができななったのに比べると、大きく違います。
もう一つは、身の回りのエネルギー(源)を電気や熱に変換すれば、自分のいる場所で生産活動ができるということです。
これまでは石炭や石油を買って、発電したり、熱を供給してきました。そして、電気や熱にお金を支払ってきました。つまり、支出しかなかったのです。
でも、自分のいる場所、つまり地元で無償で手に入るエネルギー(源)を使って発電したり、熱を供給すれば、それによって地元に生産価値(利益)が生まれます。
これまでエネルギーに関して支出していたのが、再生可能エネルギーによって逆に収入が生まれます。
地元の自治体に新しい税収も生まれます。
これが、地産地消ということでもあります。
その結果、地元では輸入された石炭や石油など化石燃料に依存する必要がなくなります。身の回りにあるエネルギー(源)を、自分たちの意思に応じて使うことができます。
これは、石炭や石油を支配する大手企業の思惑に左右されないことも意味します。
(2019年8月14日)
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