2020年7月01日掲載 − 再エネいろは
再エネが増えると、大手電力会社はどうなるのか?
再生可能エネルギーQ&A

再生可能エネルギーで発電する施設は、これまでの原子力発電所や火力発電所に比べると、小さなものばかりです。そこで気になるのが、小さな発電施設が増えて、従来の大手電力会社はどうなるのかです。


日本では、ドイツは再エネを増やしたので大手電力会社をつぶしてしまったと思われているようです。


大手電力会社はこれまで、大きな発電施設で多量に電気を発電してビジネスを展開してきました。大型集中発電方式とでもいえるでしょうか。それに対して再エネでは、小さな発電施設を各地に分散させます。小型分散発電方式といえると思います。


大型集中発電方式では、発電施設を建設するのに莫大に投資して、たくさんの電気を発電します。それでその投資を回収します。それに対して小型分散発電方式では、発電施設に対する投資額は低いし、発電で得られる利益も多くありません。


また大型施設では、減価償却するのに時間もかかります。


さらに異なる点は、従来の発電方式では、これまでも何回も指摘してきましたが、燃料が必要だということです。それに対して、再エネ発電には一部を除くと燃料は必要ありません。


これらの違いを見るとわかると思います。従来の発電方式に固執する大手電力会社は、再エネになかなか進出できません。だから日本では、主に新電力といわれる新しい電力会社が再エネに進出します。


電力市場は、ようやく自由化されました。消費者は、電気を供給してもらう電力会社を自由に選択することができるようになりました。それとともに、電力会社間の競争が激しくなります。


その点でも、大手電力会社は厳しい状態に置かれています。大手電力会社は、これまで通りのことをやっていても利益を上げることができません。


そこで問題になるのは、従来の形で大手電力会社を維持していくのか。それとも、構造改革して業界を再編するかです。


再エネへのエネルギー転換を目指すドイツでは、構造改革を選びました。だから、大手電力会社が再編されました。最大手のEonは、発電部門をすべて手放し、送電とシステム開発に集中しました。第2位のRWEは逆に、発電部門に集中しました。それとともに、大手電力会社が持っていた再エネ部門もRWEに集中します。


ぼく自身は、これから益々発電でビジネスを展開するのが難しくなると思っています。大手電力が再エネに進出するのも益々難しくなります。ですから、Eonの戦略がとても賢いと思っています。


(2020年7月01日)

前の項へ←←      →→次の項へ        →一覧へ
関連記事:
今再エネに投資するもう一つの理由
なぜ今再エネに投資するのか?
温暖化対策のために原子力発電が必要だといわれるが?
再エネのため、地方分散型に社会構造を変える必要があるのか?
この記事をシェア、ブックマークする
このページのトップへ