2020年7月29日掲載 − 再エネいろは
日本はなぜ、既存の構造に固執するのか?
再生可能エネルギーQ&A

前回、日本が容量市場を設置することについて書きました。この政策は、原子力発電や石炭火力発電を中心に大型発電施設で集中的に発電するこれまでの電力供給構造を維持するためのものだといわなければなりません。


それに対して、再生可能エネルギーで発電する構造は、小型発電施設で分散型に発電するものです。その意味で、日本が容量市場を導入するのは、再エネが必要とする構造をまったく無視することになります。


そうなると、島国日本が世界の流れから取り残されないかと心配です。それでは、この分野における日本の技術革新も加速させません。


世界で再エネの導入、拡大が進む中で、日本はなぜ大型施設集中型発電にこだわるのでしょうか。


それは、地方にいくとよくわかると思います。


日本の地方には、これといった大きな産業がありません。ほとんどの地域で建設業中心の産業構造になっています。


さらに、地方の最大雇用主が各地域に分散された地元の大手電力会社であることがわかります。その大手電力会社が地元建設業界にとって中心的な発注主なのです。


日本の産業構造は、発電と地方経済ががっちりと組み合わさった構造になっています。その構造を壊したくない。既存の構造で雇用を維持したい。容量市場の導入には、その思惑がはっきりと現れています。


でも、それでいいのでしょうか。


日本では、よく再エネは高いといわれます。それは、すでに確立してしまった既存の構造と、導入段階の再エネを比較しているからです。でも再エネが拡大して定着してしまうと、再エネのほうが格段に安くなるのはすでに何回も述べきた通りです。


ということは、将来日本の電気料金が再エネ構造で発電する国に比べると、かなり割高になる可能性が高くなります。再エネの分野での技術開発においても、世界から遅れてしまうことが心配されます。


それでは、日本は国際競争に負けて、取り残されませんか。


日本には今、再エネを構造改革のチャンスと捉え、日本の産業構造を改革する勇気と英断が必要です。


(2020年7月29日)

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