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ヨーロッパの再エネと原発の現状  5/5
(2008年10月24日)
5) 脱原発へのビジョン

こうして再生可能エネルギーが普及してくると、発電拠点が必然的に小型化され、分散化されていきます。しかし筆者は、発電拠点の分散化だけでは不十分で、経済が循環する必要最小限のエリアを母体にして、経済を分散化させ、エネルギーを主体にした小さな経済エリアを確立していく必要があると思っています。そうして、地元にエネルギー関連のサービス業などを育成して、地域経済を活性化させます。


たとえば、ドイツ中部のユーンデ(住民750人)という村では、地元の農業から発生する家畜の糞や藁などのバイオマスを使って、バイオマスを中心に村の電力と地域暖房熱源の供給を行い、それだけで村全体のエネルギー需要をまかなっています。


都市部では、都市部の一部地域だけを対象に、風力、バイオマス、水力、コージェネレーションの設備をネットワーク化して一つの発電所のように見立てたバーチャル発電所とする試み(ドイツ・ウナ市)も行われています。


今後経済の動きが益々早くなることを考えると、発電拠点の小型化、分散化が加速すると、原子力発電所のような大型発電所では、建設に時間がかかるほか、投資リスクも大きいことから、電力需要の変動に適応しにくく、発電方法として魅力を失っていくと思います。


ただ、われわれ市民一人一人も省エネ意識を持って、省エネに向けて生活スタイルを変え、社会を省エネ化していかなければなりません。


世界は2050年までに、温室効果ガスの排出量を90年比で半減させようとしています。そのためには、原子力発電が必要不可欠だと思っている人たちがたくさんいます。しかし、原子力発電が温暖化問題の救世主になるわけではありません。人類は今後、たくさんの試みを行っていかなければなりません。最も重要な手段は、省エネと自然エネルギーの利用/発電拠点の分散化です。そして、省エネと自然エネルギーの利用が進んでいけば、原子力発電は必然的に時代遅れのお荷物になっていきます。


われわれ人類は、できるだけ早くそのことに気付き、原子力発電から撤退する必要があることを認識しなければなりません。(福本榮雄)


(2008年8月10日に鹿児島県薩摩川内で行った脱原発講座講演用レジメ。講演では、地元周辺の木材資源、焼酎粕などのバイオマスを利用して、町おこしをしてはと提案している。)


(2008年10月24日)
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