2014年10月24日掲載 − HOME − エネルギー・インタビュー一覧 − インタビュー
インタビュー:
アルトゥーア ・ ケーニヒ市長(3)

廃炉中のグライフスヴァルト原発近郊にあるグライフスヴァルト市市長
Q:廃炉に望むことは

廃炉自体についていえば、蓄積されたノウハウが輸出できればいいと思う。他国の古い原発がそれによって廃炉されればいいと思う。

もちろん、放射線が基準を超えないことが大切だが、グライフスヴァルトでの廃炉が成功すれば、それを技術移転してほしい。

他国には原潜があるが、グライフスヴァルトのノウハウでそれも解体できればいいと思う。


Q:廃炉が終わった後のことも大事だが

廃炉が終わると、ノウハウを持ったエンジニアが地元やドイツだけではなく、廃炉の必要な場所に移っていかなければならない心配もある。


Q:廃炉が終わると、市民は安堵すると思うか

ある程度はそうだ。だが、廃炉が可能だとかわるほうが大切だ。

(原発のある)ルブミンには中間貯蔵施設があり、確か40年放射性廃棄物が貯蔵される。

問題は、その後どうするかだ。特に高レベル放射性廃棄物をどうするか。


Q:中間貯蔵施設に対して反対もあるようだが

誤解されていると思う。

中間貯蔵施設には高レベル放射性廃棄物はわずかしかない。(圧力容器のように)大きな機器もあるのも確かだが。

問題は、高レベル放射性廃棄物である使用済み核燃料の最終処分だ。これについては、世界中どの国も解決できていない。


Q:廃炉が終わっても、中間貯蔵施設はまだ残ることになるが

地元で発生させたものは、地元で中間貯蔵しておくということだ。日本やその他の国からの放射性廃棄物を貯蔵するためのものではない。


Q:住民はドイツの他の地域から放射性廃棄物が中間貯蔵施設に持ち込まれるのをどう思っているか

それについては批判的だ。西独やヨーロッパから持ち込まれることに住民は反対している。

グライフスヴァルトとラインスベルク(東独)、それに大学、研究機関などで研究開発に使われた少量の放射性廃棄物などに対しては、(地元で中間貯蔵する)アクセプタンスがある。


Q:10年後、20年後、30年後の市の将来は

うん、簡単にはいえないが、順調に発展していると思う。市も大きくなっていることを望んでいる。

現在、毎年200から300人人口が増えてきている。現在、研究開発、学園都市として成長していることが、20年、30年後にさらに実っていると思う。それが市にとって安定した基盤となる。

ドイツやヨーロッパばかりでなく、もっと多くの研究者、学生がたくさんの国から集まってくれればいい。そうして国際化されていけば、市としても成功するだろう


(グライフスヴァルト市庁舎でインタビュー)
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