2020年6月09日掲載 − 脱原発
人工のものでは長期に遮蔽できない

放射性廃棄物を最終処分するには、それから発せられる放射線を遮蔽するほか、放射性廃棄物に含まれる放射性物質が外に出ないようにしなければならない。そこで問題になるのは、どうやって放射線を遮蔽し、放射性物質を密封するかだ。


これまで、放射性廃棄物を最終処分する期間は10万年や100万年の長期になると書いた。問題は、それだけの長期間に渡ってどうやって放射線を遮蔽し、放射性物質を密封することができるのかにある。


放射性廃棄物を入れる容器にしても、それだけの期間耐久性のあるものがまだないことをすでに指摘した。


容器に利用される金属にしても、その他コンクリートにしても、十分に厚いものであれば、放射線を遮蔽し、放射性物質を密封することはできる。でも現在の技術レベルでは、その耐久性はどんなに楽観的にみても数百年ではないだろうか。


放射線のうち、中性子線は金属やコンクリートで遮蔽しようとしても遮蔽できないことに注意してほしい。


この記事を書いているのは、2020年。それから500年前は、16世紀はじめだ。日本では、まだ室町時代中期。ヨーロッパでは中世末期で、宗教改革がはじまろうとする頃だ。


500年だけでも、とんでもなく長い時間のスパンがあることがわかる。それだけでも、気が遠くなる。


現在の技術レベルでは、金属やコンクリートなど人間がつくったものを利用しても、最終処分に必要な長期の耐久性を保証することはできない。人間が人工的につくったものは、いずれ風化してしまうからだ。


これは、人間の力だけでは放射性廃棄物を安全に最終処分できないということだ。最終処分では、ここにたいへん難しい問題がある。


それでは、人間の能力だけでは不可能な問題にどう対応し、どう解決するのか。それについては、次回書くことにする。


(2020年6月09日)
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ワールド放射性廃棄物レポートのダウンロード:
The World Nuclear Waste Report 2019 (英語版)
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