住民参加によって最終処分地を選定する方法を審議して提案するのが、最終処分委員会の一つの重要な課題だった。最終処分地の選定にどういう形で、住民である市民が参加できるのか。
そのためには、いかに政治が住民参加について提案したところで、市民のアクセプタンスがないことには意味がない。市民のアクセプタンスを得るには、市民側からもいろいろ意見を聞く必要がある。
それによって、市民から信頼を得る必要もある。
委員会の提案について市民がどう思うか、提案を市民の意見に応じて修正したほうがいいのかどうか。最終処分委員会が市民と対話するのは、それを検討するためのものでもあったといえる。
それが、住民参加、市民参加ということでもある。
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最終処分地選定における住民参加の手法について、ラウンドテーブルで出た市民の意見がボードに貼られている |
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前回書いたように、最終処分委員会の市民との対話においては、小ラウンドテーブルに分かれて市民が意見を述べた。ランドテーブルにはボードが置かれ、司会役が市民の意見を紙に書いて、ボードに貼り付けていく。
市民の意見をすべて、ボードに貼り付けるわけではない。ある市民の意見について、その他の参加者はどう思うのか。その意見をラウンドテーブルの意見として取り上げるべきかどうか。市民同士で意見を述べ合う。
そのプロセスを経て、ボードに意見が貼られていった。
ラウンドテーブルの時間が終わると、全体会議においてラウンドテーブル毎に司会者が市民から出された意見をまとめて発表した。ラウンドテーブルで出た意見は、その後の最終処分委員会の審議において検討され、それが委員会の審議に反映される。
最終処分委員会による市民との対話に参加した市民は、こうして最終処分委員会の審議に間接的に参加した。
(2020年12月01日) |