2026年6月19日掲載 − HOME − 脱原発一覧 − 記事
ドイツ、国外に委託していた再処理によって発生した最後の高レベル放射性廃棄物を引き取る

脱原発したドイツは、英国セラフィールドの再処理施設で使用済み核燃料を再処理させた後に残った高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)を引き取り、核のゴミの入ったキャスク(輸送・保管容器)7基が今週2026年6月17日にエルベ川沿いのブルンスビュッテル港に陸上げされ、同日夜のうちにドイツ北部のブロックドルフ原発内にある中間貯蔵施設に搬入された。


今回返されたのは使用済み核燃料だと間違った報道もあったので注意したい。

それに伴い、ドイツが仏ラ・アーグと英国セラフィールドの再処理施設に再処理を委託したことによって発生した核のゴミの引き取り義務をすべて果たしたことになる。ドイツの原発に由来する核のゴミはもう国外にはない。


ドイツは最初の2000年の脱原発合意で、2005年で再処理から撤退することを決定した。しかしそれ以前にフランスとイギリスに輸送されていた使用済み核燃料は契約が満了するまで再処理できることになっていた。


キャスクは輸送用に左右に白い輪っかのような緩衝器がつけられ、輸送中に落下してもキャスクが損傷しないようになっていた。中間貯蔵施設では緩衝器を取り外し、キャスクにもう一つ蓋を取り付けた後にキャスク内にヘリウムガスが充填される。それによって、中間貯蔵中の漏れが探知できるようにする。


独ブロックドルフ原発
ドイツのブロックドルフ原発。同原発は2021年12月末に停止され、現在廃炉作業中。ドイツ北部のエルベ川沿いで撮影

ドイツでは、中間貯蔵は元々原発を運転する電力会社の責任で行うことになっていた。しかし脱原発に伴い、バックエンド(主に廃炉と最終処分)のために蓄えられてきた引当金を2017年に電力会社と国で分割する時に、電力会社が原発サイト内に設置した中間貯蔵施設を国に供与させていた。


それに伴い、廃炉は電力会社の責任で行い、中間貯蔵と最終処分は国が行うことになった。


そのため、今回もキャスクの輸送は電力会社が共同で設立した核エネルギーサービス会社(GNS)が行い、中間貯蔵にキャスクが搬入されると、その管轄は国に移管される。


問題は、核のゴミの最終処分だ。最終処分地の選定は現在進んでいるが、最終的に最終処分候補地が確定するのは、2060年代にまでずれ込む可能性が高い。そのため、核のゴミはまだ長い間中間貯蔵施設に保管され続けなければならない。


しかし中間貯蔵施設は40年の運用を前提に運用が許可されており、たとえば今回キャスクが搬入されたブロックドルフ原発の中間貯蔵は2047年までしか運用が許可されていない。そのため中間貯蔵施設の運用を延長するには、その安全性を再審査して、運用期間の延長が許可されなければならない。


その場合、最初に運用が許可された時代に比べて現在は、その前提条件がまったく異なっている。たとえば、ドローンなどによるテロ攻撃のリスクが俄然大きくなっている。そのため再審査がそう順調に進むのかどうか、さらに正当に安全性が判断されるのどうか、しっかりと監視していく必要がある。


(2026年6月19日)
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関連サイト:
ブロックドルフ原発の公式サイト(ドイツ語)
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