この「再エネいろは」や「エネルギー選択宣言ブログ」において、再生可能エネルギーを拡大するのは、世代間に公平性をもたらすためだと主張してきました。
でもこういうと、再生可能エネルギーへ転換するのは「モラル」の問題なのかという人も出てくると思います。
ぼくは、そうは思いません。
モラルに、絶対的なモラルはありますか。ぼくは、ないと思います。
モラルは、個人個人が持つものです。だからモラルの高さも、個人個人で違います。モラルのハードルの高さは、みんな同じではありません。
自分のモラルを、他人に押し付けこともできません。
だから、世代間の公平性問題についていうと、再エネを増やしてエネルギー転換しないといけないといっても、それは自分のモラルではそうは思わないという人も出てくる可能性があります。
そうだからといって、世代間に公平性をもたらすには、モラルでは実現できないといっているわけではありません。この問題は、単にモラルの問題ではないといいたいにすぎません。
再エネによって世代間に公平性をもたらそうとするのは、個人の意志であり、さらに社会の意志であると思います。
自分自身で、そうしたいと思うことです。
ドイツで再エネへの転換を進める自治体のひとつザーベック町を取材した時です。ロース町長に、なぜ再エネに転換するのかと、その動機について聞いた時です。
町長は、自分の孫たちに「なぜあの時、再エネのために何もしなかったのか」と聞かれたくないからだと、答えてくれました。
ぼくは、これだと思いました。
町長は、モラルからいったわけではありません。自分がこうしたいからと、自分の意志を表明したにすぎません。
モラルからではなく、これからの孫の世代のために、自分は再エネを広げていきたいのだということです。とても個人的だし、それが強い意志を表していると思います。
(2019年10月16日)
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