これまで何回かに渡って、自治体の再生可能エネルギーへの取り組みについて述べてきました。特に前々回は、自治体の公営施設の屋根にソーラーパネルを設置して、自治体が率先して再エネに取り組んでいく方法について書きました。
日本でも、再エネに取り組む自治体がいろいろと出てきました。
しかし、学校や役所など日本の公営施設の屋根には、ソーラーパネルが設置されているでしょうか。
あまりないのではないかと思います。学校はもちろん、大きな屋根のある大学の校舎にも、ソーラーパネルはあまり設置されていないのではないかと思います。
ぼくが日本で直接聞いた限り、こういわれました。
自治体が地元電力に抵抗するようなことはできない。あるいは、国が進めていないことを自治体が積極的にやるわけにはいかない。
これが、公営施設の屋根にソーラーパネルを設置しない理由でした。
この理由の背景は、同じだと思います。
地元の最大雇用主である電力に反発できない。国の意向に反発できない。そうしてしまうと、地元にお金が入らなくなり、不利になる。
これは、日本の典型的な構造だと思います。地方自治体が財政的に、経済と国にかんじがらめにされています。自ら「忖度」して、再エネの取り組みにおいて上のご機嫌を伺わないといけなくなっている。
これが、日本の現実なのだと思います。
この構造は、日本で地方が原発に依存する構造とまったく変わらないと思います。今この構造から脱皮しないと、日本は再エネへの取り組みで世界から取り残されてしまいます。
日本では、自治体がまずこの構造から脱皮して自立しなければなりません。
そのためには、再エネが自治体にとってとても意義のある手段であるはずです。前回書いたように、そのほうが地元が中央に依存せずに豊かになります。
この事実に、もっと目を向けてほしいと思いまます。
(2020年2月19日)
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