前回、日本の学校や役所など自治体公営施設の屋根にソーラーパネルが設置されていない問題について述べました。自治体側が地元電力会社に忖度しているからだとも書きました。
それに対してドイツの自治体では、学校の屋根にソーラーパネルを設置するプロジェクトを積極的に進めています。
たとえばドイツ北西部のザーベック町では、学校やスポーツ施設の屋根にソーラーパネルが設置されています。これは、町がお金を出して設置したわけではありません。
ドイツでは、自治体が自己資金で公営施設の屋根にソーラーパネルを設置することが、法的に禁止されています。
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このソーラーパネルは、生徒たち自身で設置した(ドイツ北西部ザーベックの学校)。 |
その代わりに、自治体が市民有志などがまとまって学校などにソーラーパネルを設置するプロジェクトをサポートします。自治体はプロジェクトを金銭的にサポートすることはできません。この種のプロジェクトが実現できるように、積極的に情報を提供したり、アドバイスします。
ドイツでは学校の屋根にソーラーパネルをつけることで、教育効果がもたらされることも期待されています。
毎年夏、福島県の高校生がドイツの再生可能エネルギーの状況を勉強するためにドイツにきています(福島県高校生交流プロジェクト)。
2019年夏にドイツにきた高校生の一人が、その後生徒会長になりました。その直後に、学校側と学校の屋根にソーラーパネルを設置するよう交渉をはじめます。
ぼくはすぐに、これだと思いました。
学校の生徒自らが、自分の学校の屋根にソーラーパネルがあったほうがいいと思う。その生徒たちの意欲を父兄会や大人有志が金銭的にサポートします。あるいは、大人が生徒たちをサポートして、財団などに助成金を申請します。
生徒たちのやることだけに、自治体はそれを妨害したり、意欲を削ぐようなことはできません。
それで、学校でのソーラーパネル・プロジェクトを実現します。こうした活動が、日本でどんどん増えていけばいいと思います。
ぼくは、これを「SolarPanels4Future」と呼びたいと思います。
SolarPanels4Futureが、日本各地の学校でどんどん広がってほしいと思います。
(2020年2月26日)
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