2022年7月27日掲載 − HOME − 再エネいろは一覧 − 記事
再エネは社会に変化をもたらすのか?
再生可能エネルギーQ&A

再生可能エネルギーとともに、社会は変わらざるを得なません。この問題については、『再エネいろは』ばかりでなく、『地道な市民』など本サイトにおいて、いろいろなところで取り上げてきました。


再エネは誰にでも、身の回りで手に入るエネルギーです。発電施設も小さくて済みます。個人住宅の屋根にソーラーパネルを取り付けるなど、小型で分散型となるのがメインです。電力会社による大型で、集中型の電力システムから変わらざるを得ません。発電された電気は、自分で使うこともできるし、売ることもできます。


それとともに、一般市民が生産者であり、消費者となります。市民が「プロシューマー」になるのです。


これまで石油や石炭などに支払っていた費用はもう、発生しません。その代わりに、発電によって地元に生産手段が生まれ、地元にお金が残るようになります。再エネとともに、地元が豊かになります。


これが、経済的観点から見た大きな変化です。


住宅はオール電化され、電気をベースとした生活に変わります。その分電気の消費が増えますから、生活において電気の消費を減らす努力をしなければなりません。


自動車は電気自動車化され、これまでのガソリン車ほどの加速性は期待できません。自動車の自動運転化で、自動車はそれほどスピードを出して走らなくなります。それでも、自動化による交通管理で、目的地に早く到着できるようになります。


その結果、自動車の価値観が変わり、自動車はステータスシンボルとしての価値を失います。一般市民は自動車よりは、自転車のほか、バスや電車、トラムなど公共交通機関で移動するようになります。


いや、そうなるように仕向けなければなりません。


自動車はシェアして使うなど、いずれ共同で利用する単なる移動手段にすぎなくなります。


発電においても、地域住民が共同で発電施設を設置するほか、暖房用の熱供給も住民が共同で行えるようになります。そのために、市民がエネルギー協同組合を設置し、共同で自治管理していくようになります。


これは、市民が独自に、産業・経済活動に参加できるようになるということでもあります。その結果、市民の生活にゆとりも生まれます。


これだけ挙げただけでも、再エネとともに社会が変わっていくことが想像できませんか。


ただこれは、ぼくの考える再エネ理想像かもしれません。こうして再エネとともに、市民が自立して社会において力を得ていくことを願って止みません。


ただ再エネの普及とともに、社会が変化していくことを自覚しておく必要があります。そうして、社会が共同で、将来の社会像も描いておくべきだと思います。


(2022年7月27日)

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関連サイト:
ドイツのエネルギー協同組合の事例:エネルゲノ(EnerGeno)(ドイツ語)
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