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先日、ドイツ電気料金が高騰している問題について、どうして電気が高騰するのかと、その影響が実際の消費者の生活に浸透しているのかどうかについて書いた(「ガスが高くなると、電気も高くなるのか」)。
現状からすると、電気の高騰の影響を受けている消費者もあれば、そうでない消費者もある。その点で格差が生まれている、あるいは格差が生まれる可能性が高いと思う。
ただいずれ、電力業界が便乗値上げする影響で、電気料金は全体的に高騰してしまう危険がある。ぼくはそう、予想している。
それが、電気料金に関する現状だと思う。
問題はこの状況で、なぜ電気料金が上がっているとされるかだ。
電気料金が上がっているとされるのは、電気の卸市場で卸価格が高騰しているからだ。ぼくは、電気の卸市場で取引価格が高騰する仕組みについても説明した。しかしドイツの卸市場では、消費電力の25%しか、電気は取引されていない。
その他の電気は、発電事業者と小売事業者が直接取引している。これは、OTC取引といわれる。
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| ドイツの一般的な電気メータ |
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ただ、電気の75%が取引されるOTC取引における取引価格の動向は、取引の当事者以外には誰にもわからない。
OTC取引では、卸市場の取引価格が目安とされる。しかしOTC取引では、長期の先渡取引もあり、その時の取引価格が契約上どう規定されているのかは、まったく闇に包まれたままだ。
この状態で、電気の卸市場において取引価格が上がっているからといって、電気料金が上がっていると断定していいのだろうか。
その答えは、「イエス」だ。
現実には、電気料金がかなり上がっている消費者もいれば、電気料金が下がっている消費者までいるかもしれない。その割合は、把握できない。それでも経済指標としては、電気料金は上がっているとなる。
それは、電気の卸市場における取引価格以外に経済指標として使える信用できるデータがないからだ。
これは、経済指標のためのデータの把握の仕方の問題でもある。
卸市場のデータが信用できるからといって、それが実際の生活において、電気料金が上がっていることを示すデータであるかどうかは、保証されない。
しかし経済指標としては、卸市場のデータを使ってしか判断できない。だから、それを経済指標として使うということでもある。
経済指標とは、そういうものなのだ。その現実もこれを機会に、知っておく必要があると思う。
(2022年9月10日)
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