放射性廃棄物の最終処分というと、特に高レベル放射性廃棄物を地下の深いところに地層処分するのが当たり前になっている。
最終処分の問題に関して、ドイツ連邦議会(下院)内に超党派で設置された放射性廃棄物処分委員会の最終報告書も、高レベル放射性廃棄物を地層処分するのが最も適切だと勧告している。
ただそれが本当に最も適しているのか、技術の発展、進歩とともに常に再検討する必要もある。
ドイツの最終処分の選定と実施を監督する放射性廃棄物処分安全庁(BASE)は、最終処分方法を順次再検討する任務も委託されている。
今回、BASEの委託でドイツの民間環境研究機関のエコ研究所が、単なる地層処分に代わる方法について分析する結果を発表した。
そこでは主に、放射性廃棄物処分委員会最終報告書が地層処分に代わる考えられる代替方法だと列挙した方法が検討された。検討対象の代替方法を規定することで、放射性廃棄物処分委員会最終報告書は今後検討するべき方法と、宇宙に処分するなど実現性に乏しく、検討する必要のない方法をはっきりと区分したことになる。
今回検討する対象になったのは、ボーリング孔処分、長期中間貯蔵、核種分離・変換(P&T)だ。
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写真は、地層処分調査目的に岩塩層に設置された地下坑道。ドイツ北部のゴアレーベン調査坑で撮影。ゴアレーベンの岩塩層は、最終処分には適さないとして最終処分候補地から除外された |
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エコ研究所も指摘しているが、長期中間貯蔵と核種分離・変換(P&T)は最終的な処分とはならない。長期中間貯蔵は最終処分するまで、長期に渡って過渡的に保管するもので、その後に放射性廃棄物を最終的に処分しなければならない。
核種分離・変換(P&T)は再処理と同じように、一つのプロセスである。そのプロセスによって放射性廃棄物が新たに発生する可能性があり、それを別途最終処分しなければならない。
となると、真の意味で最終処分になるのはボーリング孔処分だけだ。これまで考えられている地層処分が地下1000メートルなどの深層に処分するのに対し、ボーリング孔処分はさらに超深層の地下3000から5000メートルの地層において水平方向にボーリング孔を掘り、そこに処分することが構想されている。米国には、地下1000から2000メートルの地層に処分することも考えられているという。
問題は、放射性廃棄物を処分する地点までボーリング孔でしか到達できないことと、その地点から放射性廃棄物を処分するために水平な穴を掘らなければならないが、そのための技術がまだないことだ。
こうして見ると、単なる地層処分以外に可能性のありそうな処分方法はまだないことになる。しかし今後どういう新しい技術の可能性が出てくるのか、それを無視せずに常に観察しておく必要がある。
(2024年8月26日) |