エネルギー選択宣言ブログ

若者たちの授業ボイコットをどう考える

 毎週金曜日、早急な地球温暖化対策を求めて抗議デモを行う若者たち。集まった若者を見ると、小さな小学生をはじめとして、中学生、高校生、大学生が集まっている。

 参加する若者はみんな、授業に出ないでデモに集まっている。

 Fridays for Future。ドイツでも、スウェーデンではじまった抗議活動がうねりだしている。3月15日、ベルリンでは主催者発表で2万5000人が集まった。これまでで最高の参加者数を記録したという。

 ここで、問題になっているのが、若者たちが金曜午前の授業をボイコットして活動に参加していることだ。それに対して、賛否両論の議論が出ている。学校の対応も、各校でまちまちになっているという。

 ある学校では、先生がしっかりと出欠をとり、欠席した生徒を処罰するほか、生徒の成績に反映させる予定という。またある学校では、ボイコットを大目にみて、問題にしない予定という。若者たちの抗議デモに参加する先生たちも増加しているといわれる。

 政界でも、保守系政党が授業をボイコットした生徒を処罰すべきだと主張しているのに対し、左派系政党は若者たちを支援するとしている。

 ただ、授業ボイコットの良し悪しを議論する前に、忘れていることがないだろうか。

 一つは、若者たちがなぜ授業をボイコットしてまで地球温暖化に対抗して早く対策を講じるよう求めているのかだ。

 それは、若者たちが自分たちが将来生活する環境がどうなるのか、危惧しているからだ。自分たちの生存権、生活権を主張しているのだ。それは、当然の基本的人権ではないのか。それをむしろ、教育という名の規律で抑えつけようとするほうがおかしい。

 もう一つは、若者たちにそうさせている原因がどこにあるかだ。

 それは、地球が温暖化しているにも関わらず、大人がこれまで十分な対策を講じてこないどころか、今持って十分な手を打とうとしないからだ。そして、地球温暖化をもたらしているのは、産業革命後に石炭や石油などの化石燃料を使ってきた世代であることも忘れてはならない。

 化石燃料を使うことによって、人類は豊かになった。でもその代償として、環境を汚染、破壊し、地球の温暖化を引き起こしてきた。それに対しては、今の大人とその前の世代に責任があるのを忘れてはならない。

 若者たちは今、産業革命後化石燃料を使うだけで、環境汚染の問題を解決してこなかった過去の世代の負の遺産を負わされようとしている。若者たちは、それに対抗しようとしているにすぎない。それを、大人が校則を盾に処罰するのは本末転倒だ。処罰されるべきはむしろ、大人のほうではないのか。

 大人は、若者たちの活動を批判する前に、まず自らがしてきたことを省みる必要がある。

 さらにもう一ついわせてもらえれば、若者たちは授業に出るよりは、抗議デモに参加することによってより多くのことを学んでいると思う。

(2019年3月17日、まさお)

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