空気の断熱効果を利用する

 ブーツを買う時、靴屋さんでブーツは一サイズ大き目のものがいいといわれたことがあります。それによってブールの中に空気を閉じ込め、空気の断熱効果を利用して足を冷やさないようにするのだそうです。

 ダウンのコートや発泡スチロールなども、同じ原理です。ダウンや発泡スチロールの中に空気が貯まっているので、空気が断熱効果を発揮します。建物の断熱効果を上げるため、発泡スチロールを外壁にはったりするのは、そのためです。

 魔法瓶は、真空状態を利用して保温します。最近、スレンレス製のものが多くなりました。ここでは、ステンレスの板の間が真空になっています。昔のガラス魔法瓶もそうですね。

 空気が断熱効果を発揮するのは、狭い空間に空気を閉じ込めたからです。

 たとえば、毛糸のセーターやウールのコートが暖かいのも、それと同じ原理です。毛糸やウールの間の空気が断熱してくれるからです。でも、毛糸のセーターやウールのコートは風を通します。風の強いところでは空気が流れてしまい、空気は断熱効果を発揮しません。だから、寒くなります。

 空気は閉じ込めると、とても断熱効果のあるものだとわかったと思います。

 それをたとえば、建物の断熱に使えばいいのです。外壁と内壁の間に空気を閉じ込めます。それによって、とてもいい断熱効果が生まれます。

 日本でも、二重ガラスや三重ガラスの窓が使われるようになりました。窓ガラスの間には、アルゴンガスが入っています。これも、アルゴンガスという気体を断熱材にしています。

 これは、空気などの気体のほうが分子レベルでは液体や固体より、熱伝導率が低いからです。熱を伝えにくいということです。

 空気はまた、熱を遠くに運ぶ機能もあります。だから、部屋を暖房すれば部屋全体が暖かくなります。これは逆に、空気が動いているからです(対流効果)。

 ここでは、暖かくなった空気が動いて冷たい空気と入れ替わったり、冷たい空気と混じったりして、部屋の温度が高くなります。空気が熱を伝えたわけではないので、注意してください。

 こうした空気の特性を、ぼくたちは昔から生活の知恵として、日常生活で使ってきたはずです。それをさらに効率よくして、復活させることも必要だと思います。

 技術的には、空気をもっと大規模に効率的に使うことができれば、大きな省エネ効果が生まれると思います。それは、新しい技術を開発しなければならないのではなく、アイディアや知恵の問題だと思います。

 空気は、誰にでも手に入ります。誰でも使う権利があります。ぼくたちの頭が問われています。

2020年2月02日、まさお

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